股関節の外側の痛み、その原因は?放置厳禁!今日からできる対処法まで徹底解説

「股関節の外側が痛む」
「歩くときにズキッと感じる」
「寝返りを打つと痛い」
といった症状に悩まされていませんか?
股関節の外側の痛みは、日常生活に大きな影響を及ぼし、不安を感じる方も少なくありません。
1. 股関節の外側の痛み、もしかしてその症状?
股関節の外側に痛みを感じる場合、その症状は人それぞれです。
しかし、いくつかの共通した特徴があり、ご自身の痛みが股関節の外側の痛みであるかどうかを確認する手がかりになります。
もし、以下のような症状に心当たりがあれば、それは股関節の外側の痛みの可能性があります。
1.1 このような痛みに心当たりはありませんか?
股関節の外側の痛みは、その場所や性質、痛むタイミングによって、さまざまな表現がされます。
ご自身の症状がどれに当てはまるか、確認してみましょう。
1.1.1 痛みの場所と性質
| 痛みの場所 | 痛みの性質 | 具体的な感覚 |
|---|---|---|
| 太ももの付け根の外側 | 鈍い痛み、重だるさ | 深く響くような痛み、違和感が続く感じ |
| お尻の横、骨の出っ張り(大転子部) | ズキズキとした痛み、圧痛 | 触ると痛む、特定の姿勢で痛みが強まる |
| 股関節全体の外側 | しびれ、ピリピリ感 | 足の付け根から太ももにかけて広がる不快感 |
特に、太ももの付け根の外側やお尻の横にある骨の出っ張り(大転子部)に痛みを感じる場合は、股関節の外側の痛みの可能性が高いです。
痛みは鈍いものから鋭いものまで様々で、しびれを伴うこともあります。
1.1.2 痛むタイミングと動作
- 歩き始めや立ち上がりに股関節の外側が痛む
- 長時間立っていると股関節の外側がだるくなる、痛くなる
- 階段の昇り降りで股関節の外側に響くような痛みがある
- 寝返りを打つ時や、横向きに寝ている時に股関節の外側が痛む
- 股関節を外側に開く、または内側に閉じる動作で痛みが増す
- 安静にしている時でも股関節の外側がジンジンと痛むことがある
- 運動中や運動後に股関節の外側に痛みや違和感が生じる
これらの症状は、日常生活の様々な場面で現れることがあります。
もし、一つでも当てはまる症状があれば、それは単なる筋肉疲労ではないかもしれません。
1.2 股関節の外側の痛みに伴うその他の症状
股関節の外側の痛みには、痛み以外の症状が伴うこともあります。
以下のような症状も併せて確認してみてください。
- 股関節を動かした時に「カクカク」「ゴリゴリ」といった音がする
- 股関節の可動域が狭くなったと感じる(足を開きにくい、あぐらがかけないなど)
- 股関節の周りに熱感や腫れがある
- 痛む側の足が突っ張るような感じがする
これらの症状が複合的に現れることもあります。
ご自身の股関節の状態を注意深く観察することが大切です。
もし、これらの症状に心当たりがある場合は、次の章でご紹介する原因について詳しく見ていくことで、ご自身の状況をより深く理解できるでしょう。
2. 股関節の外側の痛みの主な原因とは
股関節の外側に痛みを感じる場合、その原因は一つではありません。
股関節そのものに問題がある場合もあれば、股関節周囲の筋肉や腱、さらには腰からくる関連痛として現れることもあります。
ここでは、股関節の外側の痛みを引き起こす主な原因について詳しく見ていきましょう。
2.1 股関節の外側の痛みの代表的な疾患
まずは、股関節の外側の痛みに特に関連の深い代表的な疾患についてご紹介します。
2.1.1 大転子部痛症候群(大転子滑液包炎)
股関節の外側の痛みで最も多い原因の一つが、大転子部痛症候群です。
太ももの付け根の骨の出っ張り部分を「大転子」と呼びますが、この大転子の周囲には、筋肉や腱の摩擦を減らすための「滑液包」という袋状の組織があります。
この滑液包やその周囲の腱が、使いすぎや繰り返しの摩擦によって炎症を起こすことで痛みが生じます。
特に、長時間歩く、階段を上り下りする、横向きに寝るといった動作で痛みが増すことがあります。
2.1.2 変形性股関節症
股関節の軟骨がすり減り、関節が変形していく疾患です。
初期の段階では、股関節の付け根(鼠径部)や臀部に痛みを感じることが多いですが、病状が進行すると股関節の外側にも痛みが現れることがあります。
関節の動きが悪くなり、歩行時や立ち上がる際に痛みが強くなることが特徴です。
加齢や、生まれつきの股関節の形状に問題がある場合などに発症しやすくなります。
2.1.3 梨状筋症候群
お尻の奥深くにある「梨状筋」という筋肉が、その下を通る坐骨神経を圧迫することで、お尻から太ももの裏側や外側にかけて痛みやしびれが生じる状態です。
股関節の外側の痛みとして感じられることもあります。
長時間座っていることが多い方や、特定のスポーツ活動を頻繁に行う方に起こりやすいとされています。
2.1.4 腰椎疾患からくる関連痛
股関節の外側の痛みは、実は腰の骨や神経の問題が原因で起こることもあります。
例えば、腰の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった腰椎の疾患が、神経の経路を通じて股関節の外側に痛みを引き起こすことがあります。
この場合、腰の痛みや足のしびれを伴うことが多く、股関節自体には問題が見られないこともあります。
2.1.5 その他の原因
上記以外にも、股関節の外側の痛みを引き起こす可能性のある原因はいくつか存在します。
例えば、股関節唇という関節の縁にある軟骨組織の損傷、関節リウマチなどの全身性の関節炎、スポーツなどによる疲労骨折、ごく稀にですが腫瘍などが原因となることもあります。
痛みがなかなか引かない場合や、症状が悪化する場合には、専門家への相談が大切です。
2.2 股関節の外側の痛みを引き起こす生活習慣
疾患だけでなく、日々の生活習慣が股関節の外側の痛みを引き起こしたり、悪化させたりすることがあります。
心当たりのある方は、見直してみることをおすすめします。
| 原因となる生活習慣 | 具体的な内容と股関節への影響 |
|---|---|
| 姿勢の偏り | 片足に体重をかけて立つ癖や、足を組んで座る姿勢は、股関節に不均等な負担をかけ、外側の筋肉や腱にストレスを与えます。
特に、常に同じ側に負担がかかることで、炎症や痛みを引き起こしやすくなります。 |
| 運動習慣 | 過度なランニングやジャンプなど、股関節に強い衝撃が加わる運動を急に始めたり、無理なフォームで行ったりすると、大転子周囲の組織に炎症が起きやすくなります。
逆に、運動不足で股関節周りの筋力が低下したり、柔軟性が失われたりすることも、痛みの原因となることがあります。 |
| 合わない靴の使用 | クッション性の低い靴や、足に合わないサイズの靴を履き続けると、歩行時の衝撃が股関節に直接伝わりやすくなります。
また、ヒールの高い靴は、体の重心が前に傾き、股関節に余計な負担をかけることがあります。 |
| 長時間の同じ姿勢 | デスクワークなどで長時間座りっぱなしの状態が続くと、股関節周りの筋肉が硬くなり、血行が悪くなることがあります。
特に、股関節を深く曲げた姿勢や、横向きに寝る際の姿勢によっては、大転子部に圧迫や摩擦が生じやすくなります。 |
| 体重の増加 | 体重が増えると、股関節にかかる負担が大きくなります。
特に、歩行時や階段の昇降時には、体重の数倍の負荷がかかると言われており、股関節の外側の組織にも大きなストレスを与え、痛みを引き起こす原因となります。 |
3. 股関節の外側の痛みを放置するとどうなる?
股関節の外側の痛みは、日常生活に支障をきたす不快な症状ですが、多くの人が「一時的なものだろう」と軽視しがちです。
しかし、その痛みを放置することは、症状の悪化や全身への影響、さらには生活の質の低下を招く可能性があります。
早期の対処がなぜ重要なのか、その理由を具体的に解説します。
3.1 痛みの悪化と慢性化
初期の段階では軽い痛みや違和感程度であっても、原因が解消されなければ痛みは徐々に強くなります。
特に、股関節の外側の痛みは、歩行や立ち上がりといった日常動作で負荷がかかりやすいため、痛みが進行しやすい傾向にあります。
3.1.1 日常生活への具体的な支障
痛みが悪化すると、以下のような日常動作に支障をきたすようになります。
- 立ち上がる、座るといった基本的な動作が困難になる
- 歩行時に足を引きずるようになり、長時間の移動が辛くなる
- 階段の昇り降りが大きな負担となる
- 寝返りを打つ際に痛みが生じ、睡眠の質が低下する
- 趣味や仕事など、活動範囲が著しく制限される
これらの支障は、生活の質を大きく低下させる要因となります。
3.1.2 運動機能の低下
痛みをかばうことで、股関節周辺の筋肉を適切に使わなくなり、結果として筋力が低下します。
また、関節の可動域も狭まり、股関節の柔軟性が失われることがあります。
これは、転倒のリスクを高めるだけでなく、さらなる痛みの原因となる悪循環を生み出す可能性があります。
3.2 全身への影響と二次的な痛みの発生
股関節の外側の痛みを放置すると、体は無意識のうちに痛みをかばう姿勢を取るようになります。
この不自然な姿勢は、股関節だけでなく、全身に様々な影響を及ぼします。
3.2.1 姿勢の歪み
痛みを避けるために、片側の股関節に体重をかけたり、腰をひねったりといった動作が癖になることがあります。
これにより、骨盤の傾きや脊柱の歪みが生じ、全身のバランスが崩れてしまいます。
3.2.2 他の関節への負担
姿勢の歪みは、股関節以外の関節に過度な負担をかけることにつながります。
特に、腰や膝、足首といった部位に二次的な痛みや不調を引き起こすケースが多く見られます。
例えば、股関節の痛みをかばうことで腰に負担がかかり、慢性的な腰痛に悩まされるようになることも少なくありません。
3.3 精神的な負担と生活の質の低下
慢性的な痛みは、身体的な苦痛だけでなく、精神的な負担も増大させます。
活動の制限や痛みの不安から、以下のような精神的・社会的な影響が現れることがあります。
- ストレスや不安感が増し、気分が落ち込みやすくなる
- 外出を控えるようになり、社会的な交流が減少する
- 趣味やレクリエーション活動から遠ざかり、生活の楽しみが失われる
- 睡眠不足や不眠症に悩まされるようになる
これらの要因が複合的に作用し、全体的な生活の質が著しく低下することにつながります。
3.4 治療の長期化と選択肢の限定
股関節の外側の痛みを放置すればするほど、症状は進行し、回復までの道のりが遠くなる傾向があります。
初期段階であれば、生活習慣の改善やセルフケア、あるいは専門家による保存療法で改善が見込める場合でも、進行するとそれらの方法だけでは効果が得られにくくなることがあります。
痛みが慢性化し、関節の変形などが進んでしまうと、より侵襲的な治療が必要になったり、治療期間が長期化したりする可能性が高まります。
結果として、身体的・精神的な負担だけでなく、経済的な負担も増大することになりかねません。
そのため、股関節の外側に痛みを感じたら、決して放置せず、早期に適切な対処を検討することが非常に重要です。
4. 今日からできる股関節の外側の痛みへの対処法
股関節の外側の痛みは、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
しかし、痛みの原因を理解し、適切な対処を行うことで、症状の軽減や悪化の予防が期待できます。
ここでは、ご自身でできるセルフケアから、必要に応じて専門家によるアプローチまで、具体的な対処法を詳しくご紹介します。
4.1 痛みを和らげるためのセルフケア
股関節の外側の痛みに対して、まずはご自身の生活の中で取り入れられるセルフケアから始めてみましょう。
継続することで、痛みの軽減につながることが期待できます。
4.1.1 股関節の痛みに効果的なストレッチ
股関節の外側の痛みにアプローチするためには、股関節周辺の筋肉、特に臀部や太ももの外側の筋肉の柔軟性を高めるストレッチが有効です。
無理のない範囲で、ゆっくりと呼吸をしながら行いましょう。
| ストレッチの種類 | 目的 | 簡単な方法 |
|---|---|---|
| 中殿筋・小殿筋ストレッチ | 股関節外側の筋肉の柔軟性向上 | 椅子に座り、片足を反対側の膝に乗せます。
上体をゆっくりと前に倒し、お尻の外側に伸びを感じるまでキープします。 |
| 梨状筋ストレッチ | 坐骨神経の圧迫緩和、股関節の可動域改善 | 仰向けに寝て、片足を立て、もう一方の足首を立てた膝に乗せます。
立てた膝をゆっくりと胸に引き寄せ、お尻の奥に伸びを感じるまでキープします。 |
| 腸脛靭帯ストレッチ | 太もも外側の張りの緩和 | 壁に手をついて立ち、痛む側の足をもう一方の足の後ろに交差させます。
体を壁と反対側にゆっくりと傾け、太ももの外側に伸びを感じるまでキープします。 |
これらのストレッチは、筋肉の緊張を和らげ、股関節の動きをスムーズにすることを目的としています。
痛みを感じる場合はすぐに中止し、無理に伸ばさないように注意してください。
4.1.2 股関節の痛みを軽減する生活習慣の改善
日々の生活習慣を見直すことも、股関節の痛みを軽減し、再発を防ぐために非常に重要です。
- 正しい姿勢の意識
立つとき、座るとき、歩くときなど、常に姿勢を意識しましょう。特に、長時間同じ姿勢を続けることは避け、こまめに体勢を変えるように心がけてください。椅子に座る際は、深く腰掛け、背筋を伸ばすことを意識しましょう。 - 適切な靴選び
クッション性があり、足にフィットする靴を選ぶことが大切です。ヒールの高い靴や、底が硬すぎる靴は股関節に負担をかける可能性があるため、避けるようにしてください。 - 体重管理
体重が増加すると、股関節にかかる負担も大きくなります。適正体重を維持することは、股関節の健康にとって非常に重要です。 - 股関節に負担の少ない動作
重いものを持つ際は、膝を曲げて腰を落とすようにしましょう。また、急な方向転換や、股関節を大きくひねるような動作は避けるようにしてください。
4.1.3 股関節の痛みに応じたアイシングや温め方
痛みの性質によって、アイシング(冷却)と温める(温熱)のどちらが適しているかが異なります。
適切に使い分けることで、症状の緩和につながります。
- アイシング(冷却)
急性の痛みや、患部に熱感や腫れがある場合に有効です。炎症を抑え、痛みを和らげる効果が期待できます。ビニール袋に入れた氷や保冷剤をタオルで包み、痛む部分に15分程度当ててください。直接皮膚に当てると凍傷の危険があるため、必ずタオルなどで保護しましょう。 - 温める(温熱)
慢性的な痛みや、筋肉のこわばり、血行不良が原因の痛みに有効です。血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。入浴で体を温めたり、温湿布や蒸しタオルを痛む部分に当てたりするのも良いでしょう。
どちらが良いか迷う場合や、症状が悪化する場合は、無理に自己判断せず、専門家にご相談ください。
4.2 専門家による治療法
セルフケアで改善が見られない場合や、痛みが強い、または悪化している場合は、専門家による適切な治療が必要となることがあります。
専門家は、痛みの原因を正確に診断し、症状に応じた治療計画を提案してくれます。
4.2.1 薬物療法
痛みを伴う股関節の外側の症状に対して、専門家は痛みを和らげたり、炎症を抑えたりする目的で薬物療法を検討することがあります。
これは、症状の軽減を図り、日常生活を送りやすくするためのアプローチです。
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
内服薬や外用薬(湿布や塗り薬)として使用され、痛みや炎症を抑える効果が期待できます。 - 筋弛緩剤
筋肉の過度な緊張が痛みの原因となっている場合に、筋肉を緩める目的で処方されることがあります。
これらの薬は、症状を一時的に抑えるものであり、根本的な原因を解決するものではないことを理解しておくことが大切です。
専門家の指示に従い、正しく使用するようにしてください。
4.2.2 物理療法
物理療法は、温熱、電気、光、超音波などの物理的な刺激を用いて、痛みの軽減や機能改善を目指す治療法です。専門機関で、症状や状態に合わせて様々な方法が用いられます。
- 温熱療法
患部を温めることで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげ、痛みを軽減する効果が期待できます。 - 電気療法
低周波や干渉波などの電気刺激を用いて、痛みの伝達を抑制したり、筋肉を刺激して血行を促進したりします。 - 運動療法
専門家の指導のもと、股関節周囲の筋力強化や柔軟性向上、バランス能力の改善などを目的とした運動を行います。これは、股関節の安定性を高め、再発予防にもつながります。
物理療法は、痛みの緩和だけでなく、股関節の機能回復を目指す上で重要な役割を果たします。
4.2.3 手術療法
保存的な治療法を続けても症状が改善しない場合や、股関節の変形が進行して日常生活に著しい支障をきたしている場合などには、手術療法が最終的な選択肢として検討されることがあります。
- 人工股関節置換術
変形した股関節を人工の関節に置き換える手術です。主に変形性股関節症が進行した場合に行われ、痛みの劇的な改善と股関節機能の回復が期待できます。 - 骨切り術
股関節の骨の形を修正し、関節への負担を軽減する手術です。比較的若い年齢で、股関節の変形が軽度から中程度の場合に検討されることがあります。
手術は大きな決断であり、専門家と十分に話し合い、手術のメリットとデメリット、リスクを理解した上で慎重に判断することが大切です。
手術後にはリハビリテーションが不可欠であり、専門家の指導のもとで計画的に進める必要があります。
5. 股関節の外側の痛み、こんな症状ならすぐに専門家へご相談ください
股関節の外側の痛みは、多くの場合セルフケアや生活習慣の改善で対処できる可能性がありますが、中には専門家による診断と治療が必要なケースもございます。
ご自身の状態を正しく把握し、適切なタイミングで専門家へ相談することが、症状の悪化を防ぎ、早期回復への鍵となります。
5.1 緊急性の高い危険なサイン
股関節の外側の痛みにおいて、以下のような症状が見られる場合は、速やかに専門家へ相談する必要がある危険なサインです。
5.1.1 激しい痛みや安静時痛、夜間痛
股関節の外側に耐えがたいほどの激しい痛みがある場合や、安静にしている時や夜間にも痛みが続く場合は、何らかの炎症や重篤な疾患が進行している可能性があります。
特に夜間痛は、変形性股関節症の進行や炎症性疾患のサインであることも考えられます。
5.1.2 しびれや麻痺を伴う場合
痛みだけでなく、股関節周辺から足にかけてしびれや麻痺を感じる場合は、神経が圧迫されている可能性が非常に高いです。
これは腰椎疾患や梨状筋症候群など、神経系の問題を示唆しており、放置すると症状が悪化する恐れがあります。
5.1.3 発熱や腫れ、赤みを伴う場合
股関節の外側に痛みとともに発熱や強い腫れ、皮膚の赤みが見られる場合は、感染症や重度の炎症が考えられます。
これらの症状は速やかな対応が必要な状態です。
5.1.4 股関節の変形や歩行困難
股関節の見た目に明らかな変形が見られる場合や、痛みが強くて体重をかけることができない、あるいは歩行が困難になっている場合は、股関節の構造自体に大きな問題が生じている可能性があります。
特に、急な歩行困難は転倒のリスクも高めます。
5.2 症状が悪化している、または改善が見られない場合
セルフケアを試しても症状が改善しない、あるいは悪化している場合も、専門家への相談を検討すべき状況です。
5.2.1 痛みが徐々に悪化している
最初から軽度だった痛みが、日を追うごとに強くなっている場合や、痛みの頻度が増している場合は、自己判断で様子を見るのではなく、専門家へ相談することをお勧めします。
5.2.2 セルフケアを続けても改善しない
本記事で紹介したストレッチや生活習慣の改善、アイシングなどのセルフケアを数週間試しても、股関節の外側の痛みに全く改善が見られない場合は、原因がセルフケアでは対応できないものである可能性が高いです。
専門家による適切な診断と、それに基づいた治療が必要になるかもしれません。
5.3 専門家への相談を検討すべき症状の目安
上記でご紹介した症状を一覧にまとめました。
ご自身の状態と照らし合わせ、専門家への相談の判断にご活用ください。
| 症状のタイプ | 具体的な症状 | 考えられるリスク・注意点 |
|---|---|---|
| 痛みの強度・性質 |
|
重度の炎症、疾患の進行、睡眠障害など |
| 神経症状 |
|
神経圧迫、腰椎疾患、梨状筋症候群など |
| 炎症サイン |
|
感染症、重度の炎症など |
| 機能障害・変形 |
|
構造的な問題、転倒リスク、日常生活への支障 |
| セルフケアの効果 |
|
原因がセルフケアでは対応できない可能性 |
これらの症状は、早期に専門家による正確な診断と適切な治療が必要なサインかもしれません。
自己判断で放置せず、専門家にご相談いただくことで、より早く痛みの原因を特定し、適切な対処法を見つけることができます。
6. まとめ
股関節の外側の痛みは、日常生活の質を大きく低下させるだけでなく、放置することで症状が悪化し、慢性化する恐れがあります。
その原因は、大転子部痛症候群や変形性股関節症、梨状筋症候群といった疾患から、腰椎疾患、さらには日々の生活習慣に至るまで、多岐にわたります。
自己判断せずに、まずはご自身の症状と向き合い、適切な対処法を見つけることが大切です。
今日からできるセルフケアとして、股関節に負担をかけない生活習慣の改善や、適切なストレッチ、アイシングや温め方などをご紹介しました。
しかし、痛みが続く場合や、特定の動作で激しい痛みがある場合は、専門医の診断と治療が必要です。
薬物療法や物理療法、場合によっては手術療法など、症状に応じた様々な選択肢があります。
股関節の痛みは、早期発見・早期治療が何よりも重要です。
痛みを我慢せず、適切なケアを行うことで、快適な日常生活を取り戻すことができます。
何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。
柔道整復師 武田和樹 監修

