歩けないほどの椎間板ヘルニア…原因はこれ！症状と改善策を詳しく解説
「椎間板ヘルニアで歩けない…」
その痛み、想像するだけで辛いですよね。
この記事では、歩けないほどの激痛を引き起こす椎間板ヘルニアの原因を、加齢や生活習慣、遺伝など様々な側面から詳しく解説します。
さらに、症状の段階や、痛みの改善、予防策まで網羅的にご紹介。
椎間板ヘルニアの痛みから解放され、快適な日常生活を取り戻すためのヒントが満載です。
この記事を読めば、あなたの痛みの原因を理解し、適切な対処法を見つけることができるでしょう。
1. 歩けないほどの椎間板ヘルニアとは？
椎間板ヘルニアは、背骨の椎間板と呼ばれる組織の一部が飛び出し、神経を圧迫することで痛みやしびれなどの症状を引き起こす疾患です。
通常は、腰や首に発生することが多く、症状の程度は様々です。
多くの場合、保存療法で改善しますが、歩行が困難になるほど重症化するケースも存在します。
椎間板ヘルニアで歩けないほどの痛みが出る場合は、神経への圧迫が非常に強くなっていると考えられます。
神経根という、脊髄から枝分かれした神経が圧迫されると、激しい痛みやしびれが生じ、筋肉の麻痺によって歩行困難になることがあります。
また、馬尾症候群という、排尿・排便障害などを伴う重篤な症状が現れる場合もあります。
このような場合は、緊急の治療が必要となるため、速やかに医療機関を受診することが重要です。
1.1 椎間板ヘルニアの重症度と歩行障害の関係
| 重症度 | 症状 | 歩行への影響 |
|---|---|---|
| 軽度 | 軽い痛みやしびれ | 歩行に支障はほぼない |
| 中等度 | 強い痛みやしびれ、姿勢の変化による痛みの増強 | 歩行が困難になる場合もある |
| 重度 | 激しい痛みやしびれ、筋力低下、排尿・排便障害 | 歩行が非常に困難、または不可能になる |
上記のように、椎間板ヘルニアの重症度は症状の程度によって分類されます。
歩行への影響は重症度と相関しており、重症化するほど歩行が困難になります。
軽度の場合は、日常生活に大きな支障はありませんが、中等度になると、痛みやしびれのために歩行が困難になる場合があり、重度になると、立っていることさえ困難になることがあります。
特に、馬尾症候群を発症すると、緊急手術が必要になるため、早急な対応が求められます。
2. 椎間板ヘルニアで歩けないほどの痛みが出る原因
椎間板ヘルニアによって歩行が困難になるほどの激痛が生じる原因は、一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っている場合が多いです。
ここでは主な原因を詳しく解説します。
2.1 加齢による椎間板の変性
椎間板は、加齢とともに水分が失われ、弾力性が低下していきます。
この変性によって椎間板がもろくなり、亀裂が生じやすくなります。
亀裂から髄核が飛び出し、神経を圧迫することで、激しい痛みやしびれが生じ、歩行困難になることがあります。
2.2 激しい運動や重労働
重量挙げのような激しい運動や、重い物を持ち上げる重労働は、椎間板に大きな負担をかけます。
繰り返しの負荷や急激な衝撃によって、椎間板が損傷し、ヘルニアを発症するリスクが高まります。
特に、腰をひねる動作を伴う運動や作業は、椎間板への負担が大きいため注意が必要です。
2.3 長時間のデスクワークや不良姿勢
デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けることや、猫背などの不良姿勢は、椎間板への負担を増大させます。
特に、前かがみの姿勢は腰椎に大きな負担がかかり、椎間板ヘルニアのリスクを高めます。
正しい姿勢を意識し、こまめに休憩を取るように心がけましょう。
2.4 遺伝的要因
椎間板の形状や強度は、遺伝的な影響を受ける場合もあります。
両親や兄弟に椎間板ヘルニアの既往歴がある方は、自身も発症するリスクが高いと考えられます。
遺伝的要因は自身でコントロールすることはできませんが、他のリスク因子を避けることで発症予防に努めることができます。
2.5 肥満
過剰な体重は、椎間板への負担を増大させます。
肥満の方は、そうでない方に比べて椎間板ヘルニアを発症するリスクが高いと言われています。
適正体重を維持することで、椎間板への負担を軽減し、ヘルニアの予防につながります。
2.6 喫煙
喫煙は、椎間板への血流を阻害し、変性を促進させることが知られています。
喫煙者は、非喫煙者に比べて椎間板ヘルニアを発症するリスクが高いという研究結果もあります。
禁煙は、椎間板ヘルニアの予防だけでなく、健康全般の改善にもつながります。
| 原因 | 詳細 |
|---|---|
| 加齢 | 椎間板の水分減少、弾力性低下により変性が進行 |
| 激しい運動・重労働 | 椎間板への負担増大、急激な衝撃による損傷 |
| 長時間のデスクワーク・不良姿勢 | 持続的な負担、前かがみによる腰椎への負担増大 |
| 遺伝的要因 | 椎間板の形状や強度への影響 |
| 肥満 | 過剰な体重による椎間板への負担増大 |
| 喫煙 | 血流阻害による椎間板変性の促進 |
これらの要因が単独または複数組み合わさって、歩行困難になるほどの激しい痛みを引き起こすことがあります。
少しでも異変を感じたら、早めに専門機関を受診することが大切です。
3. 椎間板ヘルニアの症状
椎間板ヘルニアになると、様々な症状が現れます。
症状の程度や種類は、ヘルニアの発生部位や程度によって大きく異なります。
初期症状を見逃さず、適切な対処をすることが大切です。
主な症状は以下の通りです。
3.1 歩行困難
椎間板ヘルニアによって神経が圧迫されると、足に力が入りにくくなり、歩行が困難になることがあります。
つま先が上がりにくくなる、足を引きずる、歩くと足に痛みやしびれが出るなどの症状が現れる場合もあります。
3.2 痺れ
神経が圧迫されることで、足にしびれが生じることがあります。
しびれの範囲や程度は、ヘルニアの発生部位や程度によって異なります。
片足だけにしびれが出る場合もあれば、両足にしびれが出る場合もあります。
また、お尻や太もも、ふくらはぎ、足先など、しびれを感じる部位も様々です。
3.3 痛み
椎間板ヘルニアの代表的な症状の一つが痛みです。
腰や背中に痛みが出ることが多く、くしゃみや咳をした時などに痛みが強くなることがあります。
また、足の付け根やお尻、太もも、ふくらはぎ、足先などにも痛みが広がることもあります。
痛みの程度は、ヘルニアの発生部位や程度によって異なり、鈍痛から激痛まで様々です。
3.4 筋力低下
神経が圧迫されることで、足の筋肉が弱くなり、力が入りにくくなることがあります。
立ち上がるのが困難になったり、階段の上り下りがつらくなったりするなど、日常生活に支障をきたすこともあります。
3.5 排尿・排便障害
重度の椎間板ヘルニアの場合、まれに排尿や排便に障害が出ることがあります。
尿が出にくい、尿漏れ、便秘などの症状が現れる場合、すぐに医療機関を受診する必要があります。
| 症状 | 詳細 |
|---|---|
| 歩行困難 | つま先が上がらない、足を引きずる、歩行時の痛みやしびれ |
| 痺れ | 足、お尻、太もも、ふくらはぎ、足先に生じる |
| 痛み | 腰、背中、足の付け根、お尻、太もも、ふくらはぎ、足先に生じる |
| 筋力低下 | 足に力が入らない、立ち上がるのが困難、階段の上り下りがつらい |
| 排尿・排便障害 | 尿が出にくい、尿漏れ、便秘（重症の場合） |
これらの症状は、他の疾患でも見られることがあります。
自己判断せずに、医療機関を受診して適切な診断を受けることが重要です。
4. 椎間板ヘルニアの段階と歩行への影響
椎間板ヘルニアは、その程度によって症状が大きく異なり、歩行への影響も様々です。
一般的に、軽度、中等度、重度の3段階に分けられます。
4.1 軽度
軽度の椎間板ヘルニアでは、椎間板の一部が突出しているものの、神経への圧迫は軽微です。
そのため、痛みやしびれは軽度であるか、全く症状がない場合もあります。
歩行に支障が出ることはほとんどありませんが、長時間の歩行や激しい運動後に軽い痛みやしびれを感じる方もいます。
4.2 中等度
中等度の椎間板ヘルニアでは、椎間板の突出が大きくなり、神経を圧迫し始めます。
そのため、強い痛みやしびれ、坐骨神経痛などが現れます。
歩行時に痛みやしびれが増強し、跛行（びっこをひく）などの症状が現れることもあります。
また、前かがみの姿勢になると痛みが軽減される傾向があります。
4.3 重度
重度の椎間板ヘルニアでは、椎間板が大きく突出し、神経を強く圧迫します。
激しい痛みやしびれに加え、筋力低下や膀胱直腸障害（排尿・排便障害）などの症状が現れることもあります。
歩行が困難になるだけでなく、全く歩けなくなる場合もあります。
安静にしていても強い痛みやしびれが持続し、日常生活に大きな支障をきたします。
| 段階 | 椎間板の状態 | 症状 | 歩行への影響 |
|---|---|---|---|
| 軽度 | 椎間板の一部が突出 | 軽い痛みやしびれ、無症状の場合も | ほとんど影響なし |
| 中等度 | 椎間板の突出が大きく、神経を圧迫し始める | 強い痛みやしびれ、坐骨神経痛、跛行 | 歩行時に痛みやしびれが増強、跛行出現の可能性 |
| 重度 | 椎間板が大きく突出し、神経を強く圧迫 | 激しい痛みやしびれ、筋力低下、膀胱直腸障害 | 歩行困難、歩行不能の場合も |
これらの段階はあくまでも目安であり、症状や歩行への影響は個人差があります。
同じ程度の突出であっても、症状が軽い方もいれば、重症化する方もいます。
少しでも異変を感じたら、早めに専門機関を受診することが大切です。
5. 椎間板ヘルニアの診断方法
椎間板ヘルニアの診断は、主に問診、理学検査、画像検査によって行われます。
患者さんの訴える症状や既往歴、生活習慣などを詳しく聞き取り、ヘルニアの可能性を探ります。
その後、神経学的検査などを行い、症状の原因を特定していきます。
最終的な診断は、画像検査の結果を踏まえて確定されます。
5.1 問診
問診では、現在の症状（痛みやしびれの部位、程度、持続時間など）、発症のきっかけ（急激な動作、持続的な姿勢など）、過去の病歴やケガ、生活習慣（仕事内容、運動習慣、睡眠時間など）について詳しく聞かれます。
これらの情報は、診断の重要な手がかりとなります。
5.2 理学検査
理学検査では、神経学的検査を中心に行います。
具体的には、以下の項目が挙げられます。
- 感覚検査：触覚、痛覚、温度覚などを調べ、神経の損傷の程度を評価します。
- 運動検査：筋力、反射などを調べ、神経の機能障害の有無を確認します。
- 姿勢検査：脊柱の弯曲や姿勢の異常を確認します。
- 直腿挙上テスト：仰向けに寝た状態で足をまっすぐ持ち上げ、痛みやしびれの出現を確認します。坐骨神経痛の有無を判断する検査です。
5.3 画像検査
画像検査は、椎間板ヘルニアの確定診断に不可欠です。
主に以下の検査方法が用いられます。
| 検査方法 | 内容 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| レントゲン検査 | 骨の状態を確認 | 簡便で広く普及している | 椎間板の状態は直接確認できない |
| MRI検査 | 椎間板、神経、脊髄などの状態を詳細に確認 | 診断精度が高い | 検査費用が高額、閉所恐怖症の方は受けられない場合がある |
| CT検査 | 骨の状態を詳細に確認 | レントゲンよりも骨の状態を詳しく確認できる | MRIに比べて椎間板や神経の状態の評価は劣る |
| ミエログラフィー | 造影剤を用いて脊髄の状態を確認 | 脊髄の圧迫の程度を評価できる | 侵襲的な検査である |
これらの検査結果を総合的に判断し、椎間板ヘルニアの部位、大きさ、神経への影響などを評価し、適切な治療方法を決定します。
6. 椎間板ヘルニアの治療法
椎間板ヘルニアの治療法は、大きく分けて保存療法と手術療法の2つがあります。
症状の程度や経過、患者さんの状態に合わせて適切な治療法が選択されます。
6.1 保存療法
多くの椎間板ヘルニアは保存療法で改善します。
保存療法は、手術をせずに痛みや痺れなどの症状を和らげ、日常生活への支障を軽減することを目的としています。
6.1.1 薬物療法
痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤、消炎鎮痛剤、神経障害性疼痛治療薬などが使用されます。
症状に合わせて薬の種類や量が調整されますので、医師の指示に従って服用することが重要です。
6.1.2 理学療法
理学療法士による指導のもと、ストレッチや筋力トレーニングなどを行い、身体の機能改善を目指します。
腰や背中の筋肉を強化することで、椎間板への負担を軽減し、症状の改善を促します。牽引療法を行う場合もあります。
6.1.3 装具療法
コルセットなどの装具を装着することで、腰椎を安定させ、痛みを軽減します。
装具の種類や装着時間は、症状や生活スタイルに合わせて調整されます。
6.1.4 ブロック注射
神経ブロック注射や硬膜外ブロック注射など、痛みの原因となっている神経周辺に薬剤を注射することで、痛みを緩和する方法です。
効果は一時的なものですが、痛みが強い場合に有効な場合があります。
6.2 手術療法
保存療法で効果が見られない場合や、症状が重症の場合には、手術療法が検討されます。
手術療法には、いくつかの種類があります。
| 手術の種類 | 概要 |
|---|---|
| 椎間板摘出術 | ヘルニアを起こしている椎間板の一部または全部を切除する手術です。 |
| 内視鏡下椎間板摘出術 | 小さな切開部から内視鏡を挿入し、ヘルニアを起こしている椎間板を切除する手術です。
身体への負担が少ないのが特徴です。 |
| レーザー椎間板減圧術 | レーザーを用いて椎間板内の組織を蒸発させ、椎間板内圧を下げることでヘルニアを縮小させる手術です。 |
| 人工椎間板置換術 | 損傷した椎間板を人工椎間板に置き換える手術です。 |
どの手術法が適しているかは、患者さんの状態やヘルニアの程度によって異なりますので、医師とよく相談することが大切です。
適切な治療を受けることで、多くの場合、椎間板ヘルニアは改善し、日常生活に支障なく過ごせるようになります。
少しでも気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
7. 椎間板ヘルニアを予防するための対策
椎間板ヘルニアは、一度発症すると日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
しかし、正しい知識と適切な対策を行うことで、発症リスクを軽減したり、再発を予防したりすることができます。
ここでは、椎間板ヘルニアを予防するための具体的な対策について解説します。
7.1 正しい姿勢を保つ
日常生活における姿勢は、椎間板への負担に大きく影響します。
特に、猫背や前かがみの姿勢は椎間板に大きな負担をかけるため、意識的に正しい姿勢を保つように心がけましょう。
正しい姿勢を維持するために、以下の点に注意してください。
- 立っている時は、耳、肩、腰、くるぶしが一直線になるように意識する。
- 座っている時は、背筋を伸ばし、深く腰掛け、足の裏全体を床につける。
- 重いものを持ち上げる際は、膝を曲げて腰を落とす。
7.2 適度な運動
適度な運動は、背骨周りの筋肉を強化し、椎間板への負担を軽減する効果が期待できます。
ウォーキングや水泳など、腰に負担の少ない運動を継続的に行うことが大切です。
特に、以下の運動がおすすめです。
| 運動 | 効果 | 注意点 |
|---|---|---|
| ウォーキング | 全身の血行促進、筋力強化 | 正しい姿勢で行う |
| 水泳 | 浮力により腰への負担が少ない、全身運動 | 無理のない範囲で行う |
| ストレッチ | 筋肉の柔軟性向上、血行促進 | 痛みを感じない範囲で行う |
7.3 バランスの取れた食事
バランスの取れた食事は、健康な身体を維持するために不可欠です。
特に、カルシウムやビタミンDは骨の健康に重要な栄養素であるため、積極的に摂取するようにしましょう。
また、肥満は椎間板への負担を増大させるため、適切な体重管理も重要です。
積極的に摂取したい栄養素と、それらを含む食品は以下の通りです。
| 栄養素 | 食品 |
|---|---|
| カルシウム | 牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、大豆製品 |
| ビタミンD | 鮭、マグロ、卵黄、きのこ類 |
7.4 禁煙
喫煙は、椎間板への血流を阻害し、椎間板の変性を促進する要因となります。
椎間板ヘルニアの予防、そして健康全体のためにも、禁煙を強く推奨します。
禁煙は椎間板ヘルニアの予防だけでなく、様々な健康 benefits をもたらします。
これらの対策を日常生活に取り入れることで、椎間板ヘルニアの発症リスクを軽減し、健康な生活を送るための第一歩を踏み出しましょう。
8. 椎間板ヘルニアで歩けない場合の対処法
椎間板ヘルニアによって歩行が困難になった場合、適切な対処をすることで症状の悪化を防ぎ、回復を早めることができます。
焦らず、落ち着いて対応することが大切です。
まずは安静を心掛け、痛みが強い場合は無理に動かないようにしましょう。
8.1 痛みが強い場合の対処法
激しい痛みで歩けない場合は、以下の方法を試してみてください。
8.1.1 安静にする
まずは安静を第一に考え、楽な姿勢で横になりましょう。
痛みを悪化させるような動作は避け、体を休めることが重要です。
8.1.2 冷湿布
炎症を抑えるために、患部に冷湿布を当てましょう。
保冷剤をタオルで包んで使用するのも効果的です。
15～20分程度を目安に、冷やしすぎには注意してください。
8.1.3 コルセットの着用
コルセットを着用することで、腰を安定させ、痛みを軽減することができます。
ただし、長時間の着用は筋力の低下につながる可能性があるので、医師の指示に従って使用してください。
8.2 痛みが少し落ち着いてきた場合の対処法
痛みが軽減してきたら、徐々に体を動かすようにしましょう。
ただし、無理は禁物です。
8.2.1 温湿布
血行を促進するために、温湿布を使用してみましょう。
痛みがぶり返すようであれば、冷湿布に戻してください。
8.2.2 軽いストレッチ
医師や理学療法士の指導のもと、軽いストレッチを行いましょう。
腰への負担が少ないストレッチから始め、徐々に強度を上げていくことが大切です。
無理なストレッチは逆効果となる場合があるので、注意が必要です。
| 症状 | 対処法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 激痛で歩けない | 安静、冷湿布、コルセット着用 | 無理に動かない |
| 痛みが少し落ち着いてきた | 温湿布、軽いストレッチ | 無理なストレッチは避ける、医師の指示に従う |
| 痺れや麻痺がある | 速やかに医療機関を受診 | 自己判断で対処しない |
症状が改善しない場合や、痺れ、麻痺などの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
自己判断で対処せず、専門家の適切なアドバイスを受けることが重要です。
日常生活における注意点としては、重いものを持ち上げない、長時間同じ姿勢を続けない、など腰への負担を軽減するよう心掛けてください。
9. 日常生活で気を付けること
椎間板ヘルニアの再発を防ぎ、症状を悪化させないためには、日常生活での注意が重要です。
痛みや痺れがない時でも、下記に挙げる点に気を付けて生活することで、椎間板への負担を軽減し、快適に過ごすことができます。
9.1 姿勢
正しい姿勢を維持することは、椎間板への負担を軽減する上で非常に大切です。
立っている時は背筋を伸ばし、お腹に力を入れて腰を支えるように意識しましょう。
座っている時は、浅く腰掛けず、深く座り、背もたれを利用して腰を支えましょう。
長時間同じ姿勢を続ける場合は、こまめに休憩を取り、軽いストレッチを行うと良いでしょう。
9.2 動作
9.2.1 重いものを持ち上げる時
重いものを持ち上げる際は、膝を曲げて腰を落とすようにし、背中を丸めずに持ち上げましょう。
また、急に立ち上がったり、身体をひねったりする動作は避け、荷物を持つときは身体に近づけて持ち上げましょう。
重いものを運ぶ必要がある場合は、台車などを活用し、腰への負担を最小限に抑えましょう。
9.2.2 中腰の姿勢
中腰の姿勢は椎間板に大きな負担をかけます。
できるだけ中腰の姿勢を避けるか、短時間で行うようにしましょう。
どうしても中腰の姿勢が必要な場合は、片足を少し前に出して腰を支える、または低い椅子などに座って作業を行うなど、工夫してみましょう。
9.2.3 くしゃみ・咳
くしゃみや咳をする際は、腹筋に力を入れて腰を支えるように意識しましょう。
急な動作で腰に負担がかかり、症状を悪化させる可能性があります。
9.3 睡眠
睡眠時は、自分に合った寝具を選びましょう。
マットレスは硬すぎず柔らかすぎないものがおすすめです。
仰向けで寝る場合は、膝の下にクッションなどを置いて膝を軽く曲げると、腰への負担を軽減できます。
横向きで寝る場合は、膝を軽く曲げて抱き枕などを抱えると、身体のバランスが良くなり、腰への負担を軽減できます。
9.4 入浴
温かいお風呂にゆっくり浸かることで、血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。
シャワーだけで済ませず、湯船に浸かるようにしましょう。
ただし、長湯はかえって身体の負担となる場合があるので、適度な時間で行いましょう。
9.5 その他
日常生活において、腰に負担をかける動作をできるだけ避けるように意識することが大切です。
ハイヒールを履く、猫背になる、長時間同じ姿勢を続けるなどは、腰への負担を増大させるため注意が必要です。
また、体重管理も重要です。
肥満は腰への負担を増大させるため、適正体重を維持するように心がけましょう。
禁煙も重要です。
喫煙は血行を悪くし、椎間板の変性を促進させる可能性があります。
| 場面 | 注意点 |
|---|---|
| 座っている時 | 深く座り、背もたれを使う。足を組まない。 |
| 立っている時 | 背筋を伸ばし、良い姿勢を保つ。 |
| 寝ている時 | 自分に合ったマットレスと枕を使う。 |
| 物を持ち上げる時 | 膝を曲げて腰を落とす。 |
| くしゃみや咳をする時 | 腹筋に力を入れて腰を支える。 |
これらの点に注意することで、椎間板への負担を軽減し、症状の悪化や再発を予防することができます。
日頃から意識して生活に取り入れてみてください。
10. まとめ
歩けないほどの椎間板ヘルニアは、日常生活に大きな支障をきたす深刻な状態です。
その原因は加齢や激しい運動、長時間のデスクワーク、遺伝、肥満、喫煙など多岐にわたります。
症状としては、歩行困難以外にも痺れや痛み、筋力低下、排尿・排便障害などが現れる可能性があります。
ヘルニアの程度によって症状は異なり、重度になると歩行が非常に困難になる場合もあります。
診断は医療機関で行われ、画像検査や神経学的検査などが用いられます。
治療法には保存療法（薬物療法、理学療法、装具療法、ブロック注射など）と手術療法があり、症状や状態に合わせて適切な方法が選択されます。
椎間板ヘルニアを予防するためには、正しい姿勢を保つ、適度な運動をする、バランスの取れた食事を摂る、禁煙するなどの対策が重要です。
もし歩けないほどの痛みが出た場合は、無理に動かず、速やかに医療機関を受診しましょう。
何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。
柔道整復師 武田和樹 監修