椎間板ヘルニアに整骨院は効果ある？症状別解説と通院時の注意点
椎間板ヘルニアの痛みやしびれに悩んでいませんか？
「整骨院って効果あるの？」
と疑問に思っている方もいるでしょう。
この記事では、椎間板ヘルニアのメカニズムや症状を解説した上で、整骨院での施術内容や効果、メリット・デメリットを詳しく説明します。
さらに、症状の軽度・中程度・重度別に、整骨院での施術のアプローチの違いもご紹介します。
また、他の治療法との比較や、整骨院に通院する際の注意点もまとめました。
この記事を読めば、椎間板ヘルニアに対する整骨院での施術の効果について理解し、自分に合った治療法を選択するための一助となるでしょう。
1. 椎間板ヘルニアとは？
椎間板ヘルニアは、背骨の骨と骨の間にあるクッションの役割を果たす椎間板が、何らかの原因で外に飛び出してしまい、周囲の神経を圧迫することで痛みやしびれなどの症状を引き起こす疾患です。
腰や首に発生することが多く、日常生活に支障をきたすこともあります。
1.1 椎間板ヘルニアのメカニズム
私たちの背骨は、複数の椎骨と呼ばれる骨が積み重なって構成されています。
椎骨と椎骨の間には、椎間板と呼ばれる弾力性のある組織が存在し、クッションの役割を果たして衝撃を吸収したり、体の動きをスムーズにしたりしています。
この椎間板は、中心部に髄核と呼ばれるゼリー状の組織があり、その周囲を線維輪と呼ばれる硬い組織が包み込む構造をしています。
加齢や激しい運動、長時間のデスクワークなどによって、線維輪に亀裂が生じることがあります。
すると、髄核が線維輪の亀裂から飛び出し、周囲の神経を圧迫してしまうことがあります。
これが椎間板ヘルニアです。
飛び出した髄核が神経を圧迫することで、痛みやしびれなどの症状が現れます。
1.2 椎間板ヘルニアの主な症状
椎間板ヘルニアの症状は、ヘルニアが発生した部位や程度によって様々です。
代表的な症状は以下の通りです。
| 発生部位 | 症状 |
|---|---|
| 腰椎 |
|
| 頸椎 |
|
これらの症状は、くしゃみや咳をした時、前かがみになった時などに悪化することがあります。
また、安静にしていることで症状が軽減することもあります。
症状が長引いたり、日常生活に支障が出るほど強い場合は、早めに専門家への相談が必要です。
2. 椎間板ヘルニアに整骨院は効果がある？
椎間板ヘルニアの痛みやしびれに悩まされている方にとって、整骨院での施術が効果的なのかどうかは気になるところでしょう。
結論から言うと、整骨院での施術は、軽度から中等度の椎間板ヘルニアに対して効果が期待できます。
しかし、重度の椎間板ヘルニアの場合は、手術が必要となるケースもありますので、まずは医師の診断を受けることが重要です。
また、症状や痛みの程度によって、効果的な施術内容は異なってきます。
2.1 整骨院で行う椎間板ヘルニアへの施術
整骨院では、椎間板ヘルニアの症状緩和のために、様々な施術が行われます。
主な施術内容は以下の通りです。
2.1.1 整骨院の施術内容1：マッサージ
マッサージは、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで、痛みやしびれを軽減する効果があります。
硬くなった筋肉をほぐすことで、神経への圧迫を軽減し、症状の改善を促します。
2.1.2 整骨院の施術内容2：電気治療
電気治療は、低周波や高周波の電気を用いて、痛みを緩和したり、筋肉の炎症を抑えたりする効果があります。
痛みの原因となっている部分に直接電気を流すことで、鎮痛効果を高めます。
また、血行促進効果も期待できます。
2.2 整骨院に通うメリット・デメリット
整骨院に通うメリットとデメリットをまとめると以下のようになります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 比較的費用が抑えられる | 健康保険が適用されない施術もある |
| 予約が取りやすい | 施術効果には個人差がある |
| 身体の歪みをチェックし、根本的な改善を目指すことができる | 重度の椎間板ヘルニアには効果が限定的である場合がある |
整骨院での施術は、症状の改善に役立つことが期待できますが、すべての椎間板ヘルニアに効果があるとは限りません。
自身の症状に合った適切な施術を受けるためには、しっかりと相談し、施術内容を確認することが大切です。
3. 椎間板ヘルニアの症状別、整骨院での効果と施術内容
椎間板ヘルニアの症状は、軽度から重度まで様々です。
症状の程度によって、整骨院で期待できる効果や施術内容も変わってきます。
ここでは、症状別に整骨院での効果と施術内容を解説します。
3.1 軽度の椎間板ヘルニアの場合
軽度の椎間板ヘルニアの場合、主な症状は腰や背中の痛み、違和感です。
下肢への痺れや痛みはあまり見られません。
この段階では、整骨院での施術によって症状の改善が期待できます。
| 施術内容 | 効果 |
|---|---|
| マッサージ | 筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで痛みを軽減します。 |
| 電気治療 | 炎症を抑え、痛みを和らげます。 |
| ストレッチ | 筋肉の柔軟性を高め、関節の可動域を広げることで、痛みの再発を予防します。 |
3.2 中等度の椎間板ヘルニアの場合
中等度の椎間板ヘルニアの場合、腰や背中の痛みが強くなり、下肢への痺れや痛み、だるさなどが現れます。
日常生活に支障が出ることもあります。
整骨院では、痛みの軽減や日常生活動作の改善を目指した施術を行います。
| 施術内容 | 効果 |
|---|---|
| マッサージ、電気治療に加え、骨盤矯正 | 骨盤の歪みを整えることで、椎間板への負担を軽減し、神経の圧迫を和らげます。 |
| 牽引 | 椎間板にかかる圧力を軽減し、神経の圧迫を和らげます。 |
| テーピング | 患部を固定し、痛みを軽減するとともに、再発を予防します。 |
3.3 重度の椎間板ヘルニアの場合
重度の椎間板ヘルニアの場合、強い痛みやしびれ、麻痺などの症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
排尿・排便障害が起こる場合もあります。
この段階では、整骨院での施術のみでは十分な効果が得られない可能性があります。
医療機関への受診が必要となるケースが多く、整骨院では医療機関との連携を取りながら、症状の緩和や日常生活動作のサポートを行います。
| 施術内容 | 効果 |
|---|---|
| 医療機関との連携 | 医療機関での検査結果や治療方針を踏まえ、適切な施術を行います。 |
| 症状に合わせた施術 | 痛みの軽減や日常生活動作の改善を目的とした、患者さんの状態に合わせた施術を行います。 |
どの程度の症状でも、自己判断せずに、まずは専門家である整骨院の先生に相談し、適切な施術を受けることが大切です。
4. 椎間板ヘルニアで整骨院に通院する際の注意点
椎間板ヘルニアの症状緩和を目指して整骨院に通院する際には、いくつかの注意点があります。
施術を受ける前、施術中、そして施術後、それぞれに気を付けるべき点が存在します。
これらを理解しておくことで、より安全で効果的な施術を受けられることに繋がります。
4.1 施術を受ける前の注意点
初診時は、問診票への正確な記入が重要です。
現在の症状、過去の病歴、服用中の薬など、できるだけ詳しく伝えましょう。
些細なことでも、施術内容に影響を与える可能性があります。
また、過去の治療歴や他の医療機関での受診状況も伝えることで、施術方針の決定に役立ちます。
不安な点や疑問点があれば、遠慮なく質問し、納得した上で施術を受けるようにしましょう。
4.2 施術中の注意点
施術中は、自身の体の状態に注意を払い、痛みや違和感を感じたらすぐに伝えることが大切です。
我慢せずに伝えることで、施術内容の調整や適切な処置に繋がります。
また、施術者からの質問には正直に答えるように心がけましょう。
施術の効果を高めるためには、施術者との良好なコミュニケーションが不可欠です。
4.3 施術後の注意点
施術後は、体の変化に注意し、少しでも異変を感じたらすぐに整骨院に連絡しましょう。
施術の効果を持続させるためには、日常生活での姿勢や動作にも気を配る必要があります。
施術者から指導されたストレッチやエクササイズなどを、自宅で継続して行うことが重要です。
また、再発防止のためにも、定期的な通院と生活習慣の見直しを心がけましょう。
| 時期 | 注意点 |
|---|---|
| 施術前 | 問診票への正確な記入、過去の治療歴や他の医療機関の受診状況の伝達、不安な点や疑問点の質問 |
| 施術中 | 体の状態に注意を払い、痛みや違和感を感じたらすぐに伝える、施術者からの質問には正直に答える |
| 施術後 | 体の変化に注意し異変を感じたら連絡、日常生活での姿勢や動作に気を配る、指導されたストレッチやエクササイズを自宅で継続、定期的な通院と生活習慣の見直し |
5. 他の治療法との比較（整形外科、整体、鍼灸など）
椎間板ヘルニアの治療法は整骨院以外にも様々なものがあります。
それぞれの治療法の特徴を理解し、ご自身の症状や状況に合った治療法を選択することが重要です。
ここでは、代表的な治療法である整形外科、整体、鍼灸と整骨院を比較してみましょう。
| 治療法 | 施術内容 | メリット | デメリット | 向き・不向き |
|---|---|---|---|---|
| 整形外科 | 薬物療法（痛み止め、炎症を抑える薬）、神経ブロック注射、手術など | 医学的根拠に基づいた治療を受けられる。
重度のヘルニアにも対応可能。 |
手術が必要な場合、入院やリハビリが必要になることがある。
薬の副作用のリスクがある。 |
重度のヘルニア、神経症状が強い場合、保存療法で効果がない場合 |
| 整骨院 | マッサージ、電気治療、牽引など | 比較的費用が抑えられることが多い。
身体への負担が少ない施術が多い。 |
慢性疾患は健康保険適用外。
重度のヘルニアには不向きな場合がある。 |
軽度から中等度のヘルニア、痛みの緩和、手術後のリハビリ |
| 整体 | 身体の歪みを整える施術、マッサージなど | 身体全体のバランスを整えることで、根本的な改善を目指す。
リラックス効果も期待できる。 |
施術者の技量に左右される場合がある。
効果の実感が個人差がある。 公的資格なし |
姿勢の悪さからくるヘルニア、慢性的な腰痛、身体の歪みが気になる場合 |
| 鍼灸 | ツボに鍼を刺したり、お灸を据えたりする施術 | 痛みや炎症を抑える効果が期待できる。
自然治癒力を高める効果も期待できる。 |
鍼を刺すことに抵抗がある人もいる。
効果の実感が個人差がある。 |
痛みやしびれの緩和、血行促進、冷え性 |
それぞれの治療法には得意不得意があります。
どの治療法が自分に合っているのかわからない場合は、まずは医師や各治療院の専門家に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。
複数の治療法を組み合わせることで、より効果的な治療が期待できる場合もあります。
6. よくある質問
椎間板ヘルニアと整骨院に関するよくある質問をまとめました。
6.1 どのくらいの頻度で通院すれば良いですか？
症状や施術内容によって異なりますが、最初のうちは週に2～3回程度通院し、症状が軽快してきたら週に1回、2週間に1回と間隔を空けていくのが一般的です。
ただし、ご自身の体の状態に合わせて、施術者と相談しながら通院頻度を決めることが大切です。
6.2 施術時間はどのくらいですか？
施術内容にもよりますが、30分～1時間程度が目安です。
初回はカウンセリングや検査に時間を要するため、もう少し長くかかる場合もあります。
6.3 施術は痛いですか？
整骨院で行う施術は、基本的には痛みを伴うものではありません。
もし施術中に痛みを感じた場合は、我慢せずにすぐに施術者に伝えましょう。
症状に合わせて施術内容を調整してくれます。
6.4 どのような服装で通院すれば良いですか？
動きやすい服装で通院しましょう。
施術部位を出しやすい服装がおすすめです。
更衣室が用意されている場合もありますので、着替えが必要な場合は事前に確認しておくと良いでしょう。
6.5 健康保険は使えますか？
慢性疾患は保険適用外でが急性疾患は健康保険が適用されます。
適用されるかどうかは、施術を受ける前に確認しておきましょう。
6.6 整骨院と整体院の違いは何ですか？
| 項目 | 整骨院 | 整体院 |
|---|---|---|
| 国家資格 | 柔道整復師 | 民間資格 |
| 施術内容 | 骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷など | 体の歪み、筋肉の緊張、コリなど |
| 健康保険 | 適用される場合あり | 適用されない |
上記は一般的な例であり、それぞれの院によって異なる場合があります。
6.7 椎間板ヘルニア以外の症状でも診てもらえますか？
整骨院（自費）では、椎間板ヘルニア以外にも、肩こり、腰痛、膝痛など、様々な体の不調に対応しています。
気になる症状があれば、気軽に相談してみましょう。
6.8 手術が必要な場合もありますか？
整骨院では手術は行いません。
症状が重く、手術が必要と判断された場合は、適切な医療機関を紹介してもらえます。
6.9 再発を防ぐためにはどうすれば良いですか？
日頃から正しい姿勢を意識し、適度な運動を行うことが大切です。
また、再発しやすい動作や姿勢などを施術者に確認し、日常生活で気を付けるようにしましょう。
整骨院で肩こりは治る？効果的な回数と通院期間、施術内容を徹底解説！ ブログへ
7. まとめ
この記事では、椎間板ヘルニアに対する整骨院の効果について解説しました。
椎間板ヘルニアは、症状の程度によって適切な施術が異なってきます。
軽度から中等度の椎間板ヘルニアであれば、整骨院でのマッサージや電気治療、牽引などが有効な場合もあります。
整骨院では、症状に合わせて施術内容を調整し、痛みの緩和や機能改善を目指します。
しかし、重度の椎間板ヘルニアの場合は、手術が必要となるケースもあるため、医師の診断が不可欠です。
どの治療法を選択するにしても、ご自身の症状や状態に合った適切な治療を受けることが重要です。
整骨院に通院する際は、施術を受ける前、施術中、施術後それぞれの注意点を守り、疑問点があれば積極的に質問するようにしましょう。
近年では整骨院、接骨院でも、より高度施術を提供する完全自費院も増えてきています。
何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。
柔道整復師 武田和樹 監修