股関節のしこり、痛みなしでも要注意!考えられる原因と、今すぐ確認すべきこと

股関節に「しこり」を見つけて不安に感じていませんか?
特に痛みがないと「大丈夫だろう」と放置してしまいがちですよね。
しかし、痛みがないしこりの中にも、実は注意が必要なものが潜んでいる可能性があります。
この記事では、股関節にできるしこりの主な原因を、皮膚の下にできるものから、筋肉や関節周辺、リンパ節の腫れまで、多角的に解説いたします。
ご自身のしこりの状態を客観的に確認するためのポイントや、専門家へ相談すべき目安も明確になりますので、漠然とした不安を解消し、適切な対処へと繋げるための一助として、ぜひこの記事をお役立てください。
1. 股関節のしこり、痛みがないからと安心しないでください
股関節にしこりを見つけても、痛みがないと「たいしたことはないだろう」と自己判断してしまう方は少なくありません。
多くの場合、痛みがないことでその存在を軽視し、放置してしまう傾向が見られます。
しかし、その判断は時に大きな見落としにつながる可能性があります。
痛みがないからといって、そのしこりが無害であるとは限りません。
実際、股関節周辺にできるしこりの中には、痛みを感じないまま進行し、後に深刻な問題を引き起こすケースも存在します。
しこりの正体は、皮膚の下にできる脂肪の塊から、筋肉や腱、関節に関わるもの、さらにはリンパ節の腫れ、ごく稀にですが悪性のものまで、非常に多岐にわたります。
これらは見た目や触った感触だけでは、その種類や危険性を正確に判断することはできません。
特に痛みがない場合、つい放置してしまいがちですが、その間に症状が進行してしまうことも考えられます。
このため、股関節にしこりを見つけたら、たとえ痛みがなくても安易に自己判断せず、その性質をきちんと確認することが非常に重要です。
早期にその原因を把握し、必要に応じて適切な対応をとることが、将来的な健康を守るための第一歩となります。
2. 股関節のしこり考えられる主な原因
股関節にしこりを感じたとき、痛みがないからといって放置してしまうのは避けるべきです。
しこりの原因は多岐にわたり、良性のものから、場合によっては注意が必要なものまであります。
ここでは、考えられる主な原因について詳しくご説明いたします。
2.1 皮膚や皮下組織にできるしこり
股関節周辺の皮膚や、そのすぐ下にある皮下組織にできるしこりには、以下のような種類があります。
| しこりの種類 | 主な特徴 |
|---|---|
| 脂肪腫 | 脂肪細胞の塊で、柔らかく、痛みがないことが多い良性のしこりです。 |
| 粉瘤(アテローム) | 皮膚の下に袋状に老廃物が溜まり、感染すると炎症や痛みを伴うことがあります。 |
| ガングリオン | 関節や腱の周りにできるゼリー状のしこりで、硬さが変わることもあります。 |
| 血管腫 | 血管の異常な増殖によるもので、赤や青っぽい色に見えることがあります。 |
それぞれの詳細について見ていきましょう。
2.1.1 脂肪腫
脂肪腫は、皮膚の下にできる最も一般的な良性腫瘍の一つです。
脂肪細胞が異常に増殖してできるしこりで、触ると比較的柔らかく、ゴムのような弾力があります。
多くの場合、痛みを感じることはありませんが、大きくなると周囲の神経を圧迫して痛みや違和感が生じることもあります。
成長は非常にゆっくりで、数年かけて徐々に大きくなる傾向があります。
股関節周辺だけでなく、体のさまざまな部位に発生する可能性があります。
2.1.2 粉瘤 アテローム
粉瘤は、皮膚の表面にある角質や皮脂が、皮膚の下にできた袋の中に溜まってできるしこりです。
中央に小さな黒い点(開口部)が見られることが特徴で、そこから内容物が出てくることもあります。
通常は痛みはありませんが、細菌感染を起こすと赤く腫れ上がり、強い痛みや熱感を伴うことがあります。
感染すると膿が溜まり、破裂することもありますので注意が必要です。
2.1.3 ガングリオン
ガングリオンは、関節を包む袋や腱鞘から発生する、ゼリー状の液体が詰まったしこりです。
股関節の周りの腱や関節の近くにできることがあります。
触ると硬く感じられることが多いですが、押すと少しへこんだり、大きさが変化したりすることもあります。
一般的には痛みはありませんが、しこりが大きくなり神経を圧迫すると、しびれや痛みが生じることがあります。
2.1.4 血管腫
血管腫は、血管が異常に増殖してできる良性のしこりです。
毛細血管や静脈などが集まって塊となり、皮膚の表面に近い場所にできると赤や青みがかった色に見えることがあります。
触ると柔らかいものから、少し硬いものまでさまざまです。
通常は痛みはありませんが、まれに大きくなると周囲の組織を圧迫して違和感が生じることもあります。
2.2 筋肉や関節周辺のしこり
股関節の筋肉や関節の構造そのもの、またはその周辺組織に異常が生じてしこりのように感じられることがあります。
| しこりの種類 | 主な特徴 |
|---|---|
| 鼠径ヘルニア | 鼠径部の筋肉の隙間から臓器が飛び出し、特に立ち上がったり力んだりすると膨らみます。 |
| 腱鞘炎による結節 | 腱が炎症を起こし肥厚することで、腱の走行に沿って硬いしこりのように触れることがあります。 |
| 滑液包炎 | 関節の動きを滑らかにする滑液包が炎症を起こし、液体が溜まって腫れとして触れます。 |
それぞれの詳細について見ていきましょう。
2.2.1 鼠径ヘルニア
鼠径ヘルニアは、一般的に「脱腸」とも呼ばれる状態で、鼠径部(太ももの付け根部分)の筋肉の隙間から、お腹の中の臓器(主に腸の一部)が飛び出してくることで生じます。
立ち上がったり、咳をしたり、重いものを持ったりしてお腹に力が入ると、股関節の付け根あたりが膨らみ、しこりのように感じられます。
横になったり、手で押さえたりすると引っ込むことが多いです。
痛みがないこともありますが、違和感や不快感を伴うことがあります。
放置すると、飛び出した臓器が戻らなくなり、緊急を要する状態になることもあります。
2.2.2 腱鞘炎による結節
股関節周辺には多くの腱があり、これらの腱が炎症を起こす腱鞘炎は比較的よく見られます。
慢性的な腱鞘炎では、腱が繰り返し刺激を受けることで、部分的に肥厚して硬い結節(しこり)を形成することがあります。
このしこりは腱の走行に沿って触れることが多く、股関節を動かす際に痛みや引っかかりを感じることがあります。
特に、大腿部や臀部の腱に発生することがあります。
2.2.3 滑液包炎
滑液包は、関節や腱が骨と擦れるのを防ぎ、動きを滑らかにするための袋状の組織です。
股関節周辺には複数の滑液包が存在し、これらが炎症を起こすと滑液包炎となります。
炎症により滑液包の中に液体が溜まり、腫れとしてしこりのように触れることがあります。
特に大転子部(太ももの外側の出っ張った骨の部分)にできる大転子滑液包炎は比較的よく知られています。
通常、患部に熱感や圧痛を伴い、股関節を動かす際に痛みが増すことがあります。
2.3 リンパ節の腫れ
股関節の付け根部分にはリンパ節が集中しており、体の防御機能として重要な役割を担っています。
リンパ節が腫れることで、しこりのように感じられることがあります。
| しこりの種類 | 主な特徴 |
|---|---|
| 鼠径リンパ節炎 | 体のどこかの炎症や感染症に反応して、鼠径部のリンパ節が腫れて触れるようになります。 |
それぞれの詳細について見ていきましょう。
2.3.1 鼠径リンパ節炎
鼠径リンパ節は、下肢や下腹部、外陰部などのリンパ液を集める役割をしています。
体内のどこかに炎症や感染症があると、リンパ節が病原体と戦うために腫れ上がり、しこりのように触れることがあります。
触るとコロコロと動くことが多く、痛みや熱感を伴うこともあります。
風邪や皮膚の感染症、虫刺されなど、比較的軽度な原因で腫れることが多いですが、まれに他の病気が原因で腫れることもあります。
2.4 その他のしこり
非常に稀ではありますが、股関節のしこりとして、以下のような原因が考えられることもあります。
| しこりの種類 | 主な特徴 |
|---|---|
| 動脈瘤 | 血管の一部が瘤状に膨らんだもので、拍動を感じることがあります。 |
| 悪性腫瘍の可能性 | 骨や軟部組織にできる腫瘍で、硬く、可動性がなく、急速に増大することがあります。 |
それぞれの詳細について見ていきましょう。
2.4.1 動脈瘤
動脈瘤は、動脈の壁が弱くなり、血圧によって血管の一部が瘤(こぶ)のように膨らんでしまう状態です。
股関節の近くを通る大腿動脈に発生することがあり、触るとドクドクと拍動を感じることが特徴です。
通常は痛みがないことが多いですが、大きくなると周囲を圧迫して違和感が生じることがあります。
非常に稀なケースですが、破裂のリスクもあるため注意が必要です。
2.4.2 悪性腫瘍の可能性
股関節のしこりとして、最も稀ではありますが、骨や軟部組織にできる悪性腫瘍(肉腫など)の可能性も考慮する必要があります。
悪性腫瘍によるしこりは、一般的に硬く、周囲の組織に固定されていて動きにくい、急速に大きくなる、といった特徴が見られることがあります。
痛みがない場合でも、これらの特徴がある場合は特に注意が必要です。
早期発見と適切な対応が非常に重要となります。
3. 股関節のしこり今すぐ確認すべきこと
股関節にしこりを見つけたとき、痛みがないからといって放置するのは避けたいものです。
ご自身でしこりの状態を詳しく観察することは、原因を特定し、適切な対応を考える上で非常に重要になります。
ここでは、ご自身で確認すべきポイントを具体的にご紹介します。
3.1 しこりの大きさや形
しこりの大きさや形は、その性質を知るための重要な手がかりとなります。
まずは、しこりを見つけたときの大きさを覚えておき、その後の変化がないか定期的に確認してください。
| 確認ポイント | 注目すべきこと |
|---|---|
| 大きさの変化 | 急に大きくなった、または徐々に大きくなっている場合は注意が必要です。
特に数週間から数ヶ月で目立つほど大きくなる場合は、早めの確認をおすすめします。 |
| 形 | 丸く滑らかな形のものは良性のことが多いですが、いびつな形や境界が不明瞭なしこりは、より注意深く観察する必要があります。 |
可能であれば、写真を撮って記録しておくと、変化を客観的に把握しやすくなります。
3.2 痛みや熱感の有無
しこりに痛みや熱感があるかどうかは、炎症や感染の有無を示す重要なサインです。
| 確認ポイント | 注目すべきこと |
|---|---|
| 痛み | 触ると痛む、押すと痛むといった局所的な痛みだけでなく、安静にしていてもズキズキと痛む、体を動かすと痛みが強くなるといった症状がないかを確認してください。 |
| 熱感 | しこりのある部分の皮膚が、周囲と比べて熱を持っているように感じるかを確認してください。
赤みを伴う場合は、炎症が起きている可能性があります。 |
痛みや熱感を伴うしこりは、感染症や炎症性の疾患の可能性も考えられますので、注意が必要です。
3.3 可動性や硬さ
しこりが皮膚の下でどの程度動くか、またどのくらいの硬さがあるかも、その性質を判断する上で大切な情報です。
| 確認ポイント | 注目すべきこと |
|---|---|
| 可動性 | 皮膚を軽くつまむようにして、しこりが皮膚と一緒に動くか、または皮膚の下で自由に動くかを確認してください。
周囲の組織に固定されて動きにくい場合は、より慎重な観察が必要です。 |
| 硬さ | しこりを指で触ってみて、柔らかい(脂肪のような感触)か、弾力があるか、または石のように硬いかを確認してください。
非常に硬く、ゴツゴツとした不規則な感触の場合は、早めの確認をおすすめします。 |
一般的に、皮膚や皮下組織にできる良性のしこりは、ある程度の可動性があり、比較的柔らかいことが多いですが、例外もあります。
3.4 その他の症状
しこり以外の全身症状や局所的な変化にも注意を払うことが大切です。
| 確認ポイント | 注目すべきこと |
|---|---|
| 全身症状 | しこりの発見と前後して、発熱、だるさ、食欲不振、体重の減少などの全身症状がないか確認してください。 |
| 皮膚の変化 | しこりの上や周囲の皮膚に、赤み、黒ずみ、潰瘍(ただれ)、出血などの異常がないか確認してください。 |
| リンパ節の腫れ | 股関節だけでなく、首や脇の下など他の部位のリンパ節も腫れていないか確認してください。 |
| 足の症状 | しこりがある側の足に、むくみ、しびれ、冷感などの症状がないか確認してください。 |
これらの症状が複数現れている場合は、しこりの原因がより深刻なものである可能性も考えられますので、見過ごさないようにしてください。
4. 股関節のしこりで病院を受診する目安と適切な診療科
股関節にできたしこりが痛みがない場合でも、放置せずに専門家へ相談することが大切です。
特に以下のような症状が見られる場合は、早めに専門的な判断を仰ぐことをおすすめします。
4.1 こんな症状はすぐに受診を
股関節のしこりについて、痛みがないからといって軽視せず、以下のいずれかの症状に当てはまる場合は、速やかに専門的な判断ができる場所で診てもらうことを検討してください。
- しこりが急に大きくなった、または形が変わった:数日や数週間でしこりのサイズが明らかに変化した場合、注意が必要です。
- しこりが非常に硬い、または周囲に固定されている:触っても動かない、硬いしこりは、良性でない可能性も考慮する必要があります。
- 痛みや熱感、赤みを伴う:痛みがない場合でも、炎症を示唆する熱感や赤みが生じた場合は、感染症や炎症性の状態を疑います。
- しこりが増えたり、他の部位にも現れたりする:複数のしこりが同時に、または時間差で現れる場合、全身性の状態の可能性も考えられます。
- 発熱や体重減少、全身の倦怠感などの全身症状がある:しこりだけでなく、体調不良を伴う場合は、早急な相談が必要です。
- 日常生活に支障が出ている:しこりの存在が原因で、歩行や座る動作に不快感や困難を感じるようになった場合も、専門家の意見を聞くべきです。
これらの症状は、良性のしこりだけでなく、より注意が必要な状態の兆候である可能性も否定できません。
自己判断せずに、専門的な視点からの診断を受けることが重要です。
4.2 何科を受診すべきか
股関節のしこりの原因は多岐にわたるため、どの専門領域に相談すれば良いか迷うかもしれません。
一般的には、しこりの性質や疑われる原因によって適切な専門領域が異なります。
迷った場合は、まずは運動器の専門家に相談することをおすすめします。
運動器の専門家は骨、関節、筋肉、神経などの運動器の相談に対応できます。
しかし、しこりの特徴によっては他の専門領域がより適切な場合もあります。
| 疑われるしこりの種類や特徴 | 適切な専門領域 | 理由や補足 |
|---|---|---|
| 脂肪腫、粉瘤、ガングリオン、血管腫など皮膚や皮下組織のしこり | 皮膚科、形成外科 | 皮膚やそのすぐ下の組織に発生する良性腫瘍の診断と相談を専門としています。 |
| 鼠径ヘルニア(特に立ち上がると膨らむ、押すと引っ込む) | 消化器外科、一般外科 | 腹部の臓器が鼠径部の筋膜の隙間から飛び出す状態であり、専門的な相談が必要です。 |
| 腱鞘炎による結節、滑液包炎など関節や腱に関連するしこり | 運動器の専門家 | 運動器の疾患全般を扱い、炎症や構造的な問題に詳しいです。 |
| リンパ節の腫れ(発熱や全身倦怠感を伴う場合) | 内科、血液内科 | 感染症や炎症、血液疾患など、全身性の状態が原因でリンパ節が腫れることがあります。 |
| 動脈瘤(拍動を感じる、痛みがある場合) | 血管外科 | 血管の状態を専門とし、動脈瘤に関する相談を行います。 |
| 悪性腫瘍の可能性(硬い、急速に増大、全身症状を伴う) | 運動器の専門家、腫瘍内科、消化器外科など | しこりの発生部位や疑われる種類によって専門が異なります。
まずは運動器の専門家に相談し、必要に応じて他領域へ紹介されることもあります。 |
| どの専門領域か判断に迷う場合 | 運動器の専門家、総合診療科 | まずは運動器の専門家に相談し、適切な判断と必要に応じた他領域への紹介を検討してもらうのが良いでしょう。
総合診療科がある場合は、そこで相談することも可能です。 |
初めて相談する際には、しこりがいつからあるのか、どのような変化があったのか、痛みや他の症状の有無などを詳しく伝える準備をしておくと、スムーズな相談につながります。
5. 股関節のしこりに対する検査と治療の一般的な流れ
股関節にしこりを見つけた場合、その原因を特定し、適切な対応を始めることが非常に重要です。
専門家が、しこりの状態や症状に合わせて、適切な検査を行い、診断に基づいて最適な治療計画を提案します。
5.1 診断のための検査
股関節のしこりの原因を正確に診断するためには、いくつかの検査が行われます。
これらの検査を通じて、しこりの性質や深さ、周囲の組織との関係性などを詳しく調べます。
| 検査の種類 | 検査の目的と概要 |
|---|---|
| 視診・触診 | しこりの大きさ、形、硬さ、可動性、痛みや熱感の有無などを専門家が直接確認します。
初期段階で非常に重要な情報となります。 |
| 超音波(エコー)検査 | 超音波を用いて、しこりの内部構造や血流の状態をリアルタイムで確認します。
液体が貯留しているのか、固体なのか、血管との関係性などを評価するのに有効です。 |
| X線(レントゲン)検査 | 骨や関節の状態を評価するために行われます。
しこりが骨に関連している場合や、骨に異常がないかを確認します。 |
| MRI検査 | 磁気と電波を利用して、軟部組織(筋肉、腱、脂肪など)の詳しい画像を得る検査です。
しこりの詳細な位置、大きさ、周囲組織への影響などを高い精度で評価できます。 |
| CT検査 | X線とコンピューターを組み合わせて、体の断面画像を撮影する検査です。
骨と軟部組織の両方を詳細に観察でき、特にしこりの広がりや深さを確認するのに役立ちます。 |
| 血液検査 | 炎症反応や感染症の有無、全身の状態を把握するために行われることがあります。
特にリンパ節の腫れが疑われる場合に、原因を特定する手がかりとなります。 |
| 組織学的検査(生検) | しこりの一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査です。
しこりが良性か悪性かを最終的に確定するために行われます。 この検査は、診断において最も確実な情報を提供します。 |
これらの検査は、しこりの特徴や疑われる原因によって組み合わせて行われます。
自己判断せずに、専門家の診断を受けることが最も大切です。
5.2 原因に応じた治療法
診断が確定した後、しこりの種類や状態、そして症状の有無によって、最適な治療法が提案されます。
治療法は大きく分けて、経過観察、保存的治療、外科的処置の3つがあります。
| しこりの種類 | 一般的な治療法 | 治療の概要 |
|---|---|---|
| 脂肪腫 | 経過観察、外科的摘出 | 通常は良性で、痛みや機能障害がなければ経過観察が可能です。
大きくなったり、見た目が気になる場合は、局所麻酔下で摘出する処置が検討されます。 |
| 粉瘤(アテローム) | 経過観察、排膿、外科的摘出 | 炎症がない場合は経過観察が一般的です。
炎症を起こして腫れたり痛む場合は、切開して膿を出す処置(排膿)が行われます。 根本的な治療には、袋ごと摘出する外科的処置が必要です。 |
| ガングリオン | 経過観察、吸引、外科的摘出 | 多くは自然に消失することもあります。
痛みや圧迫症状がある場合は、注射器で内容物を吸引する処置が行われることがあります。
再発を繰り返す場合や症状が強い場合は、外科的に摘出することも検討されます。 |
| 血管腫 | 経過観察、レーザー治療、外科的摘出 | 種類や大きさによりますが、経過観察が可能なものもあります。
見た目が気になる場合や症状がある場合は、レーザーを用いた治療や外科的な摘出が選択されることがあります。 |
| 鼠径ヘルニア | 外科的修復 | 自然治癒することはなく、放置すると腸が嵌頓するなどの危険性があるため、原則として外科的な修復が必要となります。 |
| 腱鞘炎による結節 | 安静、物理療法、炎症を抑える処置、外科的処置 | 炎症を抑えるための安静や冷却、温熱療法などの物理療法が行われます。
場合によっては、炎症を抑えるための薬剤を用いた処置や、症状が改善しない場合は外科的な処置も検討されます。 |
| 滑液包炎 | 安静、冷却、物理療法、炎症を抑える処置、外科的処置 | 患部の安静や冷却、温熱療法、ストレッチなどの物理療法が中心となります。
炎症が強い場合は、炎症を抑えるための薬剤を用いた処置や、内容物の吸引、外科的な切除が検討されることもあります。 |
| 鼠径リンパ節炎 | 原因疾患への対処、炎症を抑える処置 | リンパ節の腫れの原因となっている感染症や炎症を特定し、その治療を行います。
細菌感染が原因の場合は、細菌の活動を抑える処置が中心となります。 |
| 動脈瘤 | 経過観察、外科的修復 | 大きさや状態によって経過観察が可能な場合もありますが、破裂のリスクがある場合は、外科的な修復が必要となります。 |
| 悪性腫瘍の可能性 | 専門家による包括的な治療計画 | 悪性腫瘍と診断された場合は、その種類や進行度に応じて、外科的処置、薬物療法、放射線療法などを組み合わせた専門的な治療計画が立てられます。
早期に原因を特定し、適切な対応を始めることが非常に重要です。 |
治療の選択にあたっては、しこりの診断結果だけでなく、患者さんの年齢、健康状態、生活習慣なども考慮され、最も適切な方法が専門家から提案されます。
疑問や不安な点があれば、納得がいくまで相談することが大切です。
6. まとめ
股関節に痛みがないしこりを見つけた場合、「様子を見よう」と自己判断してしまいがちですが、決して安心できるものばかりではありません。
脂肪腫や粉瘤といった良性のものから、鼠径ヘルニア、リンパ節の腫れ、さらには動脈瘤や悪性腫瘍といった、早期の対応が必要な病気が隠れている可能性も考えられます。
しこりの大きさや形、硬さ、可動性、痛みや熱感の有無、そしてその他の身体症状など、ご自身で確認できるポイントはいくつかありますが、これだけで原因を特定することは困難です。
大切なのは、自己判断せずに、専門医による正確な診断を受けることです。
もし、しこりが急に大きくなった、痛みを伴うようになった、熱を持っている、硬く動かない、または全身倦怠感などの他の症状も伴う場合は、迷わず医療機関を受診してください。
適切な診療科はしこりの特徴によって異なりますが、まずは整形外科や皮膚科、外科を受診し、必要に応じて他の専門科へ紹介してもらうのが一般的な流れです。
早期発見・早期治療が、どのような病気においても非常に重要であるということを心に留めておいてください。
何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。
柔道整復師 武田和樹 監修

