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放置しないで!ストレートネックによる痺れの本当の原因と関係性、今すぐ知るべきこと

ストレートネックによる痺れの原因と関係性を深く知りたいあなたへ。

 

この記事では、ストレートネックが引き起こす痺れのメカニズムから、放置した場合のリスク、他の原因との見分け方、自宅でできる対処法、そして専門家による改善策や予防策までを詳しく解説します。

 

痺れは放置すると悪化し、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。

 

今すぐ原因を理解し、適切な対処を始めることが、あなたの健康を守る第一歩となります。

 

 

1. ストレートネックとは?痺れとの関係を理解する第一歩

 

「ストレートネック」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。

 

現代社会において、スマートフォンやパソコンの普及により、この状態に悩む方が増えています。

 

首の不調は、単なる肩こりや首の痛みだけでなく、腕や手に痺れを引き起こすこともあるため、その原因と関係性を正しく理解することが大切です。

 

 

1.1 正常な首のカーブとストレートネックの状態

 

私たちの首の骨(頚椎)は、本来、緩やかなS字カーブを描いています。

 

この生理的湾曲と呼ばれるS字カーブは、約5~6kgもある頭の重さを効率よく支え、歩行や運動時の衝撃を吸収するクッションのような役割を果たしています。

 

このカーブがあることで、首や肩、背骨全体への負担が軽減され、スムーズな動きが可能になります。

 

しかし、長時間のデスクワークやスマートフォンの操作など、うつむいた姿勢が続くことで、この正常なS字カーブが失われ、首の骨がまっすぐになってしまう状態を「ストレートネック」と呼びます。

 

専門的な検査では、首の骨が直線状に見えることから、この名前がつけられました。

 

ストレートネックになると、首が本来持つクッション機能が低下し、頭の重さが首や肩に直接のしかかるようになります。

 

これにより、首や肩、背中など広範囲にわたる筋肉に過度な負担がかかり、様々な不調の原因となります。

 

状態 首のカーブ 頭部への影響 首・肩への負担
正常な首 緩やかなS字カーブ 頭の重さを分散し、衝撃を吸収します 負担が少ない
ストレートネック まっすぐな状態 頭の重さが首や肩に直接のしかかり、衝撃を吸収しにくい 過度な負担がかかりやすい

1.2 ストレートネックが引き起こす様々な身体の不調

 

ストレートネックは、単に首がまっすぐになるだけでなく、全身に様々な不調を引き起こす可能性があります。

 

首の骨がまっすぐになることで、周辺の筋肉が常に緊張し、血流が悪くなることが主な原因です。

 

この状態が長く続くと、神経や血管にも影響を及ぼし、多岐にわたる症状が現れることがあります。

 

具体的な不調としては、以下のようなものが挙げられます。

 

  • 首や肩の慢性的なこりや痛み
  • 頭痛(特に後頭部や側頭部の締め付けられるような痛み)
  • めまいや吐き気
  • 耳鳴りや眼精疲労
  • 自律神経の乱れによる倦怠感や不眠
  • 背中の痛みや腰痛
  • そして、腕や手に広がる痺れもその一つです。

 

特に、腕や手の痺れは、ストレートネックが引き起こす神経への影響と深く関係しており、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

 

次の章では、この痺れの具体的な原因とメカニズムについて、さらに詳しく掘り下げていきます。

 

 

2. ストレートネックによる痺れの本当の原因とメカニズム

 

ストレートネックが引き起こす痺れは、単なる血行不良だけではなく、より複雑なメカニズムによって発生します。

 

ここでは、その根本的な原因と、どのようにして痺れが体に現れるのかを詳しく解説いたします。

 

2.1 首の神経圧迫が引き起こす痺れの仕組み

 

私たちの首、すなわち頸椎は、本来緩やかなS字カーブを描いています。

 

このカーブは、頭の重さを分散させ、衝撃を吸収するクッションのような役割を果たしています。

 

しかし、ストレートネックになると、この自然なカーブが失われ、首がまっすぐな状態になります。

 

 

首がまっすぐになることで、頭の重さが直接頸椎やその周囲の組織にのしかかり、大きな負担がかかります。

 

この負担が持続すると、次のような問題が生じ、神経が圧迫される原因となります。

 

 

  • 椎間板への過剰な負荷: 頸椎と頸椎の間にある椎間板は、クッションの役割を担っていますが、ストレートネックによって常に圧迫され続けると、変形したり、飛び出したりする可能性があります。
  • 椎骨の変形や骨棘の形成: 長期間の負荷は、椎骨そのものに変形をもたらしたり、骨棘と呼ばれるトゲ状の突起を形成したりすることがあります。
  • 周囲の筋肉の過緊張: 首のカーブが失われると、頭を支えるために首や肩の筋肉が常に緊張し、硬くなります。この硬くなった筋肉が神経を圧迫することもあります。

 

これらの要因により、頸椎から手や腕、肩へと伸びる神経根や脊髄が直接的に圧迫されたり、炎症を起こしたりすることで、痺れや痛みの症状が発生するのです。

 

神経が圧迫されると、その神経が支配する領域に異常な感覚が生じ、それが「痺れ」として感じられます。

 

 

 

2.2 痺れが起きやすい部位と具体的な症状

 

ストレートネックによる神経圧迫は、首だけでなく、腕や手、指など、神経の走行に沿った広範囲に痺れを引き起こすことがあります。

 

どのような部位に、どのような症状が現れるのかを見ていきましょう。

 

 

2.2.1 腕や手、指に広がる痺れのパターン

 

首の神経根は、それぞれ特定の腕や手の領域に感覚と運動を司っています。

 

そのため、どの神経根が圧迫されているかによって、痺れの現れる部位やパターンが異なります。

 

一般的に、首の神経圧迫による痺れは、片側の腕や手に症状が出やすいという特徴があります。

 

以下に、痺れが起きやすい主な部位とその特徴を示します。

 

神経根のレベル 痺れや痛みが現れやすい部位 具体的な症状の特徴
頸椎5番(C5) 肩、上腕の外側 肩から腕にかけての鈍い痛みや痺れ、腕を上げる動作での違和感
頸椎6番(C6) 上腕の外側、前腕の親指側、親指と人差し指 親指や人差し指のピリピリとした痺れ、腕の力が入らない感覚
頸椎7番(C7) 前腕の真ん中、中指 中指の痺れ、腕や指の力が入りにくい、細かい作業がしにくい
頸椎8番(C8) 前腕の小指側、薬指と小指 薬指や小指のジンジンとした痺れ、握力の低下

 

これらの痺れは、「ピリピリ」「ジンジン」といった電気的な感覚や、「ズキズキ」とした痛みとして感じられることがあります。

 

また、感覚が鈍くなる「感覚鈍麻」や、腕や指に力が入らない「脱力感」を伴うことも少なくありません。

 

特に、特定の姿勢をとった時や、首を動かした時に症状が悪化することがあります。

 

 

2.2.2 肩や首の痛みとの併発

 

ストレートネックによる痺れは、多くの場合、肩や首の痛みと同時に現れます。

 

これは、神経の圧迫だけでなく、首のカーブの消失によって周囲の筋肉が常に緊張し、炎症を起こしているためです。

 

硬くなった筋肉は血行不良を引き起こし、さらに痛みを増強させることがあります。

 

具体的には、首の付け根から肩甲骨にかけての「こり」や「張り」が慢性的に続き、それが重だるい痛みへと変化します。

 

この痛みは、時に頭痛や眼精疲労を引き起こすこともあります。

 

痺れと痛みが併発することで、首の可動域が制限されたり、寝返りが打ちにくくなったりするなど、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

 

痺れと痛みが同時に現れることで、体の不調はさらに深刻なものとなり、精神的なストレスも増大する可能性があります。

 

これらの症状は互いに関連し合っており、一方だけを改善しようとしても根本的な解決にはつながりにくいことを理解しておくことが大切です。

 

 

3. 放置しないで!ストレートネックによる痺れが進行するとどうなる?

 

ストレートネックによる痺れは、放置すると症状が悪化し、日常生活に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 

最初は軽い違和感や一時的な痺れであっても、神経への圧迫が持続することで、より重篤な状態へと進行してしまう危険性があります。

 

この章では、痺れを放置した場合にどのような問題が起こりうるのか、その進行メカニズムと具体的な影響について詳しく解説いたします。

 

 

3.1 痺れの悪化と日常生活への影響

 

ストレートネックが原因で神経が圧迫され続けると、初期のチクチクとした軽い痺れや違和感から、やがて常に感じる不快な痺れへと変化していきます。

 

この段階になると、感覚が鈍くなる「感覚麻痺」や、手足の力が入りにくくなる「筋力低下」といった症状が現れることがあります。

 

 

これらの症状は、日常生活のあらゆる場面に支障をきたすようになります。

 

例えば、以下のような状況が考えられます。

 

  • 細かい作業の困難さ:ボタンをかける、箸を使う、字を書くといった指先の繊細な動きが難しくなります。
  • 物の持ちにくさ:コップや本など、普段なら楽に持てるものが滑り落ちやすくなったり、持続して持つことが辛くなったりします。
  • 睡眠の質の低下:夜間に痺れが強くなることで、寝つきが悪くなったり、途中で目が覚めてしまったりすることがあります。
  • 精神的なストレス:常に痺れを感じることで、集中力が低下したり、イライラしやすくなったりと、精神的な負担も大きくなります。

このように、ストレートネックによる痺れを放置すると、身体的な苦痛だけでなく、生活の質そのものを大きく低下させてしまうことにつながります。

 

 

3.2 進行性の症状と専門家への相談の重要性

 

ストレートネックによる神経圧迫が慢性化し、進行すると、単なる痺れでは済まされない状況に陥る可能性があります。

 

神経への持続的なダメージは、神経そのものの変性や損傷を引き起こし、不可逆的な変化につながる危険性も否定できません。

 

 

進行性の症状としては、以下のようなものが挙げられます。

 

症状の進行度 具体的な状態 将来的なリスク
軽度〜中度 チクチク感、違和感、感覚の鈍化、軽い筋力低下 慢性的な痺れ、日常生活動作の困難化
中度〜重度 強い痺れ、明らかな感覚麻痺、筋力低下の悪化、筋萎縮の兆候 神経機能の回復が困難になる可能性、運動機能障害

 

特に、筋力の低下が進行し、筋肉が痩せてしまう「筋萎縮」が見られる場合、神経へのダメージがかなり深刻であることを示しています。

 

このような状態になると、元の健康な状態に戻すことが非常に難しくなる場合があります。

 

 

そのため、痺れが気になり始めたら、自己判断で放置せず、できるだけ早い段階で専門家に相談することが極めて重要です。

 

早期に適切な対処を始めることで、症状の悪化を防ぎ、より良い状態を保つことにつながります。

 

ご自身の身体の変化に注意を払い、早めの行動を心がけてください。

 

 

4. ストレートネックだけではない!痺れの隠れた原因と関係性

 

ストレートネックが原因で痺れが生じることは確かにありますが、痺れの症状はストレートネック以外の様々な原因によっても引き起こされることがあります。

 

ご自身の痺れがストレートネックによるものだと自己判断してしまうと、適切な対処が遅れ、症状が悪化する可能性も考えられます。

 

ここでは、ストレートネックと症状が似ているものの、原因が異なる他の病気や状態について詳しく解説し、正確な原因を見極めることの重要性をお伝えします。

 

 

4.1 頸椎ヘルニアや胸郭出口症候群など他の病気との鑑別

 

首や腕、手に現れる痺れは、ストレートネックだけでなく、以下のような様々な病気が原因となっている場合があります。

 

それぞれの病気には特徴的な症状や発生メカニズムがあり、これらを理解することが正確な原因特定への第一歩となります。

 

病気の名称 主な原因 痺れが出やすい部位と特徴 ストレートネックとの関連性や鑑別のポイント
頸椎ヘルニア 首の骨の間にある椎間板が飛び出し、近くを通る神経を圧迫する状態です。 首、肩、腕、手、指に痛みや痺れが現れます。特定の動作で症状が悪化することがあります。 ストレートネックによる首への負担が長期化すると、椎間板の変性が進み、ヘルニアのリスクが高まることがあります。

神経根症状がより明確に出やすい特徴があります。

胸郭出口症候群 首と胸の間にある「胸郭出口」と呼ばれる狭い空間で、腕や手に向かう神経や血管が圧迫される状態です。 腕や手の痺れ、痛み、だるさ、冷感などが現れます。特に腕を上げる動作や、吊り革を持つような姿勢で症状が出やすい傾向があります。 姿勢の悪化が原因となることがあり、ストレートネックと同様に猫背などの不良姿勢が影響する場合があります。

神経だけでなく血管の圧迫も伴うことがあります。

頸椎脊柱管狭窄症 首の骨の中を通る神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、脊髄や神経根が圧迫される状態です。加齢による骨の変形や靭帯の肥厚が主な原因です。 腕や手の痺れや痛みだけでなく、足の痺れや歩行障害、排泄障害など、より広範囲で重篤な症状が現れることがあります。 ストレートネックによる首への長期的な負担が、脊柱管の狭窄を進行させる一因となる可能性も考えられます。

症状の進行度合いが重要な鑑別点です。

手根管症候群 手首の手のひら側にある「手根管」というトンネル内で、正中神経が圧迫される状態です。手の使い過ぎやむくみなどが原因となることがあります。 親指から薬指の半分にかけての手のひら側と指先に痺れや痛みが生じます。特に夜間や明け方に症状が強くなることが多いです。 ストレートネックとは直接的な原因の関連は低いですが、腕や手の痺れという共通の症状から、鑑別が必要となることがあります。

手首の特定の動きで症状が誘発されやすい特徴があります。

4.2 痺れの原因を見極めることの重要性

 

上記で述べたように、痺れの症状は多岐にわたる原因によって引き起こされます。

 

ストレートネックによるものと自己判断して、誤った対処を続けてしまうと、本来の原因に対する適切なアプローチが遅れてしまうことになりかねません。

 

例えば、頸椎ヘルニアや脊柱管狭窄症のように、進行すると日常生活に大きな支障をきたす可能性のある病気もあります。

 

 

痺れの原因を正確に見極めることは、症状の悪化を防ぎ、最適な改善策を選択するために非常に重要です。

 

ご自身の痺れがストレートネックによるものなのか、それとも他の病気が隠れているのかを判断するには、専門家による詳細な状態確認が必要です。

 

専門家は、症状の経過や身体の状態を詳しく評価し、適切な対処法を提案してくれます。

 

もし痺れがなかなか改善しない場合や、症状が悪化していると感じる場合は、放置せずに早めに専門家にご相談いただくことを強くおすすめします

 

ご自身の身体の状態を正しく理解し、適切な対処を始めることが、痺れの改善と健康な生活を取り戻すための鍵となります。

 

 

5. ストレートネックによる痺れを改善するための対処法

 

ストレートネックによる痺れは、放置すると悪化する可能性があります。

 

しかし、適切な対処法を知り、実践することで、症状の改善が期待できます。

 

ここでは、ご自宅でできるセルフケアから、専門家によるアプローチまで、具体的な対処法をご紹介いたします。

 

 

5.1 自宅でできるストレッチと姿勢改善

 

日々の生活の中で意識的に取り組むことで、ストレートネックの改善と痺れの緩和につながる大切な要素です。

 

無理のない範囲で継続することが重要ですので、ご自身の体と相談しながら実践してください。

 

 

5.1.1 首と肩の緊張を和らげるストレッチ

 

首や肩周りの筋肉が硬くなると、神経への圧迫を強める原因にもなります。

 

以下のストレッチで、筋肉の柔軟性を高めましょう。

 

  • 首の横倒しストレッチ: 椅子に座り、片方の手で頭を優しく掴み、ゆっくりと首を横に倒します。反対側の肩が上がらないように注意し、首の側面が伸びるのを感じてください。左右それぞれ20秒程度キープします。
  • 首の前後屈ストレッチ: ゆっくりと顎を胸に近づけるように首を前に倒し、次に天井を見上げるように後ろに倒します。それぞれで首の後ろや前が伸びるのを感じながら、ゆっくりと繰り返します。
  • 肩甲骨回し: 両肩を大きく前後に回す運動です。肩甲骨を意識して、大きくゆっくりと動かすことで、肩周りの血行促進と筋肉の柔軟性向上につながります。
  • 胸を開くストレッチ: 両手を体の後ろで組み、肩甲骨を寄せるようにして胸を張ります。猫背の改善にも効果的で、首への負担軽減につながります。

 

これらのストレッチは、痛みを感じる場合はすぐに中止してください。

 

呼吸を止めずに、リラックスして行うことが大切です。

 

ストレートネックの治し方|1日5分でできる!首の痛みを解消するセルフケア術 ブログへ

 

5.1.2 日常生活での姿勢改善のポイント

 

ストレートネックの大きな原因の一つが、日頃の姿勢です。

 

意識を変えるだけで、首への負担を大きく減らすことができます。

 

  • 座り方: 椅子に深く腰掛け、骨盤を立てるように意識します。背筋を伸ばし、耳、肩、股関節が一直線になるようなイメージで座りましょう。デスクワークでは、モニターの高さを目線の位置に合わせ、キーボードやマウスも無理のない位置に配置してください。
  • スマートフォンの使い方: スマートフォンを見る際は、顔を下に向けるのではなく、スマートフォンを目線の高さまで持ち上げるように心がけてください。長時間の使用は避け、こまめに休憩を挟むようにしましょう。
  • 寝具の見直し: 枕の高さは、首の自然なカーブを保てるものが理想です。高すぎたり低すぎたりする枕は、首に負担をかけます。仰向けに寝たときに、首から肩にかけてのラインが緩やかなS字カーブを描くような枕を選びましょう。
  • 休憩の習慣化: 長時間同じ姿勢でいることを避け、1時間に一度は立ち上がって体を動かす、軽くストレッチをするなどの休憩を取り入れてください。

5.2 専門家による診断と治療の選択肢

 

ご自身でのケアだけでは改善が見られない場合や、痺れが強い、悪化していると感じる場合は、専門家の力を借りることが重要です。

 

適切な診断と治療を受けることで、症状の根本的な改善を目指すことができます。

 

 

5.2.1 専門機関での診断と治療

 

痺れの原因がストレートネック以外にも潜んでいる可能性も考慮し、専門機関での詳細な検査と診断を受けることが大切です。

 

ここでは、画像診断などを用いて、痺れの根本的な原因を特定し、その状態に応じた専門的なアプローチが提案されます。

 

 

専門機関では、症状の程度や原因に応じて、以下のようなアプローチが検討されることがあります。

 

  • 薬物療法: 痛みや炎症を抑えるための薬が処方されることがあります。
  • 物理療法: 温熱療法や電気療法などを用いて、血行促進や筋肉の緊張緩和を図ります。
  • リハビリテーション: 専門家の指導のもと、首や肩周りの筋力強化や柔軟性向上を目指す運動療法が行われます。
  • ブロック注射: 痛みの原因となっている神経周辺に薬を注入し、炎症を抑えたり痛みを和らげたりする処置です。
  • 手術: 非常に稀なケースですが、神経の圧迫が強く、日常生活に著しい支障をきたす場合や、他の治療法で改善が見られない場合に検討されることがあります。

 

これらの治療法は、個々の症状や状態によって最適なものが選択されますので、専門家の判断を仰ぎ、ご自身の状況に合った治療計画を立てることが重要です。

 

 

5.2.2 整体や理学療法でのアプローチ

 

ストレートネックによる痺れの改善には、専門的な手技や運動指導によるアプローチも有効です。

 

ここでは、整体や理学療法がどのように役立つかをご紹介します。

 

アプローチの種類 主な内容 期待できる効果
整体 体の歪みや筋肉のバランスに着目し、手技によって骨格の調整や筋肉の緊張緩和を行います。

 

特に、首や背骨、骨盤の歪みを整えることで、神経への圧迫を軽減し、体の自然治癒力を高めることを目指します。

  • 骨盤矯正や姿勢矯正
  • 筋肉のほぐしやストレッチ
  • 関節の可動域改善
姿勢の改善、首や肩の痛みの緩和、痺れの軽減、体のバランス調整、リラックス効果などが期待できます。

 

根本的な原因にアプローチすることで、症状の再発予防にもつながります。

理学療法 専門家が、患者様の体の状態を評価し、個別の運動プログラムを作成します。

 

正しい体の動かし方を習得し、首や体幹の筋力強化、柔軟性の向上を図ることで、ストレートネックによる負担を軽減します。

  • 運動療法(筋力トレーニング、ストレッチ、バランス運動)
  • 物理療法(温熱、電気など)
  • 日常生活での動作指導
首の安定性向上、姿勢の改善、筋力バランスの調整、痺れの軽減、身体機能の回復などが期待できます。

 

自宅で継続できるセルフケアの指導も受けられるため、長期的な改善に役立ちます。

 

これらの専門的なアプローチは、ご自身の症状や体の状態に合ったものを選ぶことが大切です。

 

まずは専門家にご相談いただき、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。

 

 

6. ストレートネックと痺れを予防する生活習慣

 

ストレートネックによる痺れを未然に防ぎ、またすでに感じている症状の悪化を防ぐためには、日々の生活習慣を見直すことが非常に重要です。

 

私たちの何気ない行動や習慣が、首への負担を大きく左右しています。

 

ここでは、ストレートネックと痺れを予防するための具体的な生活習慣についてご紹介します。

 

 

 

6.1 日常生活での注意点と習慣の見直し

 

健康な首を維持するためには、日々の意識が欠かせません。

 

特に、姿勢や睡眠環境、そして適度な運動は、ストレートネックの予防に直結します。

 

以下の点に注意し、より良い習慣を身につけましょう。

 

習慣の項目 実践すべきこと(良い習慣) 避けるべきこと(悪い習慣)
姿勢の意識 背筋を伸ばし、顎を軽く引くことを常に意識する。 猫背や前かがみの姿勢を長時間続ける。
睡眠環境 首の自然なカーブをサポートする適切な高さの枕を選ぶ。 高すぎる、または低すぎる枕を使用する。

硬すぎる、柔らかすぎるマットレスで寝る。

休憩と運動 長時間の同一姿勢を避け、こまめに休憩を取り、軽いストレッチを行う。 長時間座りっぱなしや立ちっぱなしで、体を動かさない。
ストレス管理 リラックスできる時間を作り、心身の緊張を和らげる工夫をする。 過度なストレスを溜め込み、首や肩の緊張を引き起こす。

 

正しい姿勢を保つことは、首や肩にかかる負担を軽減し、ストレートネックの進行や痺れの発生を防ぐために不可欠です。

 

また、睡眠中の姿勢も重要で、首のカーブを保てる枕を選ぶことで、一晩中首を休ませることができます。

 

適度な運動は、首周りの筋肉を強化し、血行を促進するためにも有効です。

 

日々の生活の中で、これらの習慣を意識的に取り入れてみてください。

 

 

6.2 デスクワークやスマートフォンの使い方

 

現代社会において、デスクワークやスマートフォンの長時間使用は、ストレートネックの大きな原因の一つです。

 

これらのデバイスを適切に使用し、首への負担を最小限に抑えることが予防の鍵となります。

 

 

6.2.1 デスクワーク時の正しい姿勢と環境設定

 

オフィスでの作業環境が首の健康に与える影響は非常に大きいです。

 

以下のポイントに注意し、作業環境を整えましょう。

 

項目 正しい使い方・設定 避けるべきこと
モニターの高さ 画面の上端が目線と同じか、やや下になるように調整する。 モニターを見下ろす、または見上げる姿勢になる。
椅子の座り方 深く腰掛け、背もたれに背中全体を預け、腰のカーブをサポートする。 浅く座り、背中が丸くなる猫背の姿勢で作業する。
キーボードとマウス 肩に力が入りすぎないよう、肘が約90度になる位置に配置する。 腕を伸ばしすぎたり、手首が不自然に曲がる位置で操作する。
足の位置 足の裏全体が床にしっかりつくように調整する。 足が浮いたり、足を組んだりして座る。

 

デスクワーク中は、これらのポイントを意識して、定期的に姿勢をチェックしましょう。

 

特に、集中していると無意識のうちに姿勢が崩れがちですので、タイマーを設定して休憩を促すなど、工夫を取り入れるのも良い方法です。

 

 

6.2.2 スマートフォン使用時の注意点

 

スマートフォンは私たちの生活に欠かせないツールですが、その使い方によっては首に大きな負担をかけます。

 

以下の点に留意し、首への影響を最小限に抑えましょう。

 

項目 正しい使い方 避けるべきこと
目線の高さ スマートフォンを目の高さまで持ち上げ、首を大きく曲げないようにする。 首を大きく下げて画面を見つめる「スマホ首」の姿勢。
使用時間 長時間の連続使用を避け、定期的に休憩を取り、首を回すなどの軽い運動を行う。 休憩なしで長時間使い続ける。
移動中の使用 歩きながらや電車内での揺れる環境での使用はできる限り控える 歩きながらの操作や、不自然な体勢での使用。

スマートフォンを使う際は、画面を顔の高さに近づける意識を持つことが大切です。

 

また、使用する際は背筋を伸ばし、顔を上げて画面を見るように心がけましょう。

 

何よりも、長時間の連続使用を避け、こまめに休憩を挟むことが首への負担を軽減する上で非常に重要です。

 

これらの生活習慣の見直しが、ストレートネックによる痺れの予防につながります。

 

 

7. まとめ

 

ストレートネックは、首の正常なカーブが失われることで神経が圧迫され、痺れの主な原因となることがお分かりいただけたでしょうか。

 

特に腕や手、指に広がる痺れは、放置すると日常生活に大きな支障をきたし、症状が悪化する可能性があります。

 

痺れは身体からの重要なサインですので、自己判断せずに早期に専門家へ相談し、適切な診断と治療を受けることが何よりも大切です。

 

日頃からの姿勢改善やストレッチ、デスクワークやスマートフォンの使い方を見直すことも予防に繋がります。

 

何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

 

 

 

柔道整復師 武田和樹 監修

 

 

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