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椎間板ヘルニア好発部位ランキング!年齢・性別ごとの違いや予防策を解説

椎間板ヘルニアの好発部位について、詳しく知りたいと思いませんか?

 

この記事では、椎間板ヘルニアになりやすい部位のランキング形式で、発生しやすい理由を分かりやすく解説します。

 

腰椎、頸椎、胸椎それぞれの構造や、なぜヘルニアが発生しやすいか、しにくいかを理解することで、効果的な予防策を立てることができます。

 

さらに、年齢や性別による好発部位の違いもご紹介。

 

この記事を読めば、椎間板ヘルニアの知識を深め、ご自身に合った予防法を見つけることができるでしょう。

 

 

1. 椎間板ヘルニアとは

 

椎間板ヘルニアは、背骨の椎間体と椎間体の間にある椎間板という組織の一部が飛び出し、神経を圧迫することで痛みやしびれなどの症状を引き起こす疾患です。

 

多くは腰や首に発生し、日常生活に大きな影響を与えます。

 

 

1.1 椎間板の構造と役割

 

椎間板は、線維輪と髄核という2つの部分から構成されています。

 

部位 構造 役割
線維輪 多数の線維が層状に重なって構成されています。 椎間板の外側を囲み、髄核を包み込むことで、脊柱にかかる衝撃を吸収する役割を担っています。
髄核 ゼリー状の弾力性のある組織です。 線維輪に囲まれており、脊柱の動きを滑らかにし、衝撃を吸収するクッションのような役割を果たします。

 

これらの構造により、椎間板はクッションのような役割を果たし、私たちの体を支え、スムーズな動きを可能にしています。

 

加齢や過度な負担によって椎間板が変性すると、線維輪に亀裂が生じ、髄核が飛び出すことがあります。

 

これが椎間板ヘルニアです。

 

 

1.2 椎間板ヘルニアの発生メカニズム

 

椎間板ヘルニアは、主に加齢や姿勢の悪さ、重いものを持ち上げるなどの腰への負担、遺伝的要因などが複雑に絡み合って発症すると考えられています。

 

 

加齢に伴い椎間板の水分が減少して弾力性が失われると、線維輪に亀裂が生じやすくなります。

 

この状態に、前かがみの姿勢や重いものを持ち上げる動作など、腰に負担がかかる動作が加わることで、亀裂から髄核が飛び出し、神経を圧迫してしまいます。

 

その結果、腰痛や下肢の痛みやしびれなどの症状が現れます。

 

また、遺伝的に椎間板が弱い体質の方も、椎間板ヘルニアになりやすい傾向があります。

 

さらに、喫煙も椎間板の変性を促進する要因の一つと考えられています。

 

 

2. 椎間板ヘルニアの好発部位ランキング

 

椎間板ヘルニアは、体のどの部位にも発生する可能性がありますが、発生しやすい部位と発生しにくい部位があります。

 

ここでは、椎間板ヘルニアの好発部位をランキング形式でご紹介し、それぞれの部位の特徴や症状について解説します。

 

 

2.1 第1位 腰椎(ようつい)

 

椎間板ヘルニアの好発部位、堂々の第1位は腰椎です。

 

腰椎は、上半身の重みを支え、体を動かす際に大きな負担がかかるため、椎間板へのストレスが集中しやすく、ヘルニアが発生しやすくなります。

 

 

2.1.1 腰椎椎間板ヘルニアの症状

 

 

腰椎椎間板ヘルニアの主な症状は、腰痛下肢の痛みやしびれ足の筋力低下などです。

 

症状の程度は、ヘルニアの大きさや神経への圧迫の程度によって異なります。

 

くしゃみや咳などで腹圧がかかると痛みが悪化することがあります。

 

 

2.2 第2位 頸椎(けいつい)

 

第2位は頸椎です。

 

頸椎は、頭を支え、様々な方向に動かす役割を担っています。

 

そのため、日常生活での負担や長時間のデスクワーク、スマートフォンの使用などによって、椎間板に負担がかかり、ヘルニアが発生しやすくなります。

 

 

2.2.1 頸椎椎間板ヘルニアの症状

 

頸椎椎間板ヘルニアの主な症状は、首の痛み肩や腕の痛みやしびれ手の筋力低下などです。

 

ヘルニアの部位によっては、頭痛やめまいが生じることもあります。

 

 

2.3 第3位 胸椎(きょうつい)

 

第3位は胸椎です。

 

胸椎は、肋骨と繋がっているため、腰椎や頸椎に比べて動きが少なく、椎間板への負担も比較的少ない部位です。

 

そのため、胸椎椎間板ヘルニアは比較的まれな疾患と言えます。

 

 

2.3.1 胸椎椎間板ヘルニアの症状

 

胸椎椎間板ヘルニアの主な症状は、背中の痛み胸の痛み肋間神経痛などです。

 

ヘルニアの部位によっては、下肢のしびれや筋力低下が生じることもあります。

 

順位 好発部位 主な症状
1 腰椎 腰痛、下肢の痛みやしびれ、足の筋力低下
2 頸椎 首の痛み、肩や腕の痛みやしびれ、手の筋力低下
3 胸椎 背中の痛み、胸の痛み、肋間神経痛

 

上記は代表的な症状であり、症状の出方には個人差があります。

 

また、これらの症状は他の疾患でも見られることがあるため、自己判断せずに医療機関への受診をおすすめします。

 

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3. 年齢・性別による椎間板ヘルニア好発部位の違い

 

椎間板ヘルニアは、どの年齢層でも起こりうる疾患ですが、年齢や性別によって好発部位に若干の違いが見られます。

 

それぞれの年代の特徴や、男女差による発生部位の違いを理解することで、より効果的な予防策を立てることができます。

 

 

3.1 年齢による違い

 

加齢に伴う椎間板の変性や、生活習慣の違いによって、好発部位は変化していきます。

 

 

3.1.1 20代~30代

 

20代~30代では、比較的若い世代のため、椎間板の弾力性も高く、ヘルニアは発生しにくいです。

 

しかし、激しいスポーツや、長時間のデスクワークなどによって、腰椎に負担がかかり、腰椎椎間板ヘルニアを発症することがあります。

 

特に、腰椎の中でもL4/L5、L5/S1といった部位は、体重を支える上で大きな負担がかかるため、ヘルニアが発生しやすいと言われています。

 

3.1.2 40代~50代

 

40代~50代になると、加齢に伴い椎間板の水分が減少して弾力性が低下し、変性が進行し始めます。

 

この年代では、長年の生活習慣や姿勢の悪さなどが蓄積され、腰椎椎間板ヘルニアだけでなく、頸椎椎間板ヘルニアも発症しやすくなります。

 

特に、デスクワークやスマートフォンの長時間使用など、頸椎に負担がかかる作業が多い現代社会において、頸椎椎間板ヘルニアは増加傾向にあります。

 

 

3.1.3 60代以上

 

60代以上になると、椎間板の変性がさらに進行し、骨粗鬆症なども併発することで、軽微な動作でも椎間板ヘルニアを発症するリスクが高まります

 

また、長年の身体の酷使によって、腰椎だけでなく、胸椎にもヘルニアが発生する可能性があります。

 

ただし、胸椎椎間板ヘルニアは他の部位に比べて発生頻度は低いです。

 

 

3.2 性別による違い

 

性別による椎間板ヘルニアの好発部位の違いは、主に生活習慣や身体の構造に起因すると考えられています。

 

性別 好発部位 要因
男性 腰椎 力仕事や激しいスポーツなど、腰に負担がかかる活動に従事する機会が多いため。
女性 腰椎、頸椎 妊娠・出産による骨盤への負担や、ホルモンバランスの変化、家事や育児による姿勢の悪さなどが影響していると考えられています。

また、近年ではデスクワークに従事する女性も増加しており、頸椎椎間板ヘルニアの発症リスクも高まっているようです。

 

これらの情報は一般的な傾向であり、個人差があります。

 

少しでも違和感を感じたら、医療機関に相談することが大切です。

 

 

4. 椎間板ヘルニアの好発部位 解説

 

椎間板ヘルニアは、体のどの部位にも発生する可能性がありますが、特に負担のかかりやすい部位に好発します。

 

ここでは、椎間板ヘルニアが発生しやすい腰椎、頸椎と、発生しにくい胸椎の構造に着目し、なぜ好発・難発するのかを解説します。

 

 

4.1 腰椎の構造と椎間板ヘルニアが発生しやすい理由

 

腰椎は、上半身の重みを支え、体を前後左右に曲げたり、ひねったりする際に大きな負担がかかります。

 

そのため、椎間板への負担も大きく、椎間板ヘルニアが発生しやすい部位です。

 

 

腰椎は5つの椎骨から構成されており、それぞれの椎骨の間には椎間板が存在します。

 

この椎間板は、ゼラチン状の髄核とそれを囲む線維輪からできており、クッションの役割を果たしています。

 

しかし、長年の負担や急激な動きによって線維輪に亀裂が生じ、髄核が飛び出すことで椎間板ヘルニアが発生します。

 

特に、前かがみの姿勢や重いものを持ち上げる動作は、腰椎に大きな負担をかけるため、椎間板ヘルニアのリスクを高めます。

 

また、加齢に伴い椎間板の水分が減少して弾力性が失われることも、椎間板ヘルニアの発生を促進する要因となります。

 

 

4.2 頸椎の構造と椎間板ヘルニアが発生しやすい理由

 

頸椎は、頭部を支え、回旋や屈曲など複雑な動きを可能にするため、腰椎に次いで椎間板ヘルニアが発生しやすい部位です。

 

頸椎は7つの椎骨から構成されており、こちらも椎骨の間に椎間板が存在します。

 

頸椎は腰椎に比べて椎骨が小さく、椎間板も薄いため、比較的軽微な負担でも損傷しやすく、椎間板ヘルニアが発生しやすくなります。

 

デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けたり、スマートフォンやパソコンの使用で頭を前に突き出す姿勢を続けると、頸椎に負担がかかり、椎間板ヘルニアのリスクが高まります。

 

 

4.3 胸椎の構造と椎間板ヘルニアが発生しにくい理由

 

胸椎は、肋骨と胸骨に囲まれており、体幹の安定性を保つ役割を担っています。

 

胸椎は12個の椎骨から構成されていますが、肋骨によって支えられているため、腰椎や頸椎に比べて可動域が狭く、椎間板への負担が少ないです。

 

そのため、他の部位に比べて椎間板ヘルニアは発生しにくい部位です。

 

部位 椎骨の数 特徴 椎間板ヘルニア発生率
腰椎 5 上半身の重みを支える、可動域が広い 高い
頸椎 7 頭部を支える、複雑な動きが可能 高い
胸椎 12 肋骨に支えられている、可動域が狭い 低い

 

このように、椎間板ヘルニアは、体の部位によって発生しやすさが異なります。

 

それぞれの部位の構造や役割を理解し、適切な予防策を講じることが大切です。

 

 

5. 椎間板ヘルニアの予防策

 

椎間板ヘルニアは、日常生活の何気ない動作や姿勢によって引き起こされることがあります。

 

また、加齢とともに椎間板の弾力性が失われることも、発症リスクを高める要因となります。

 

そのため、年齢に関わらず、日頃から予防を意識することが大切です。

 

ここでは、日常生活、運動、職場環境の3つの側面から、椎間板ヘルニアの予防策を具体的にご紹介します。

 

 

5.1 日常生活での予防

 

日常生活における姿勢や動作に気を付けることで、椎間板への負担を軽減し、ヘルニアの予防につながります。

 

具体的には、以下のような点に注意しましょう。

 

  • 正しい姿勢を保つ:立っているときも座っているときも、背筋を伸ばし、良い姿勢を意識しましょう。猫背は腰椎に負担がかかりやすいため、特に注意が必要です。
  • 重いものを持ち上げるときは膝を使う:重いものを持ち上げるときは、腰を曲げるのではなく、膝を曲げて持ち上げるようにしましょう。腰への負担を最小限に抑えることが重要です。
  • 急な動作を避ける:急な動作や無理な体勢は、椎間板に大きな負担をかけます。動作はゆっくりと丁寧に行うように心がけましょう。
  • 適切な体重を維持する:過度な体重増加は、椎間板への負担を増大させます。バランスの良い食事と適度な運動で、適切な体重を維持しましょう。
  • 長時間の同じ姿勢を避ける:デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続ける場合は、こまめに休憩を取り、軽いストレッチなどを行うようにしましょう。同じ姿勢を続けることで、特定の部位に負担が集中しやすくなります。
  • 身体を冷やさない:身体が冷えると、筋肉が緊張しやすくなり、血行も悪くなります。特に腰回りは冷えやすいので、温めるように心がけましょう。

5.2 運動による予防

 

適度な運動は、椎間板ヘルニアの予防に効果的です。

 

特に、背骨や体幹を支える筋肉を鍛えることで、椎間板への負担を軽減し、安定性を高めることができます。

 

以下の運動は、椎間板ヘルニアの予防に効果的です。

 

無理のない範囲で行いましょう。

 

 

運動の種類 効果 注意点
ウォーキング 全身の血行促進、筋力強化 正しい姿勢で行う
水泳 浮力による腰への負担軽減、全身運動 無理のないペースで行う
ヨガ 柔軟性向上、体幹強化 呼吸法を意識する
ピラティス 体幹強化、姿勢改善 インストラクターの指導を受けるのが望ましい

 

 

痛みがある場合は、運動を控えて安静にすることが大切です。

 

また、運動の種類や強度については、医師や専門家に相談することをおすすめします。

 

 

5.3 職場環境の改善

 

職場環境を改善することで、椎間板ヘルニアのリスクを低減することができます。

 

特にデスクワーク中心の方は、以下の点に注意しましょう。

 

 

  • デスクと椅子の高さを調整する:適切な高さに調整することで、正しい姿勢を保ちやすくなります。椅子は、座面の高さが調整できるもの、背もたれが腰をしっかりと支えてくれるものを選びましょう。
  • モニターの位置を調整する:モニターの位置が低すぎると、猫背になりやすいため、目線の高さか、やや下になるように調整しましょう。
  • 休憩時間を有効活用する:長時間同じ姿勢を続けることを避け、休憩時間には軽いストレッチや散歩などを行い、身体を動かすようにしましょう。

 

 

これらの予防策を実践することで、椎間板ヘルニアのリスクを軽減し、健康な毎日を送るために役立ちます。

 

しかし、既に痛みや違和感がある場合は、自己判断せずに医療機関に相談することが大切です。

 

 

6. まとめ

 

この記事では、椎間板ヘルニアの好発部位について、ランキング形式で詳しく解説しました。

 

最も多いのは腰椎、次いで頸椎、そして胸椎という順でした。

 

腰椎と頸椎は、身体を支えたり、頭を動かすなど、負担がかかりやすい部位であるため、椎間板ヘルニアが発生しやすいと考えられます。

 

一方、胸椎は肋骨によって支えられているため、比較的安定しており、ヘルニアは発生しにくいのです。

 

また、年齢や性別によっても好発部位に違いが見られました。

 

20~30代では腰椎、40~50代では頸椎、60代以上では腰椎と頸椎の両方という傾向がありました。

 

性別では、男性は腰椎、女性は頸椎にヘルニアが発生しやすい傾向が見られました。

 

日常生活での姿勢や運動、職場環境の改善など、予防策を意識することで、椎間板ヘルニアのリスクを減らすことが可能です。

 

何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

 

 

 

柔道整復師 武田和樹 監修

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