椎間板ヘルニアの治療法｜自宅でできる効果的なセルフケア10選

つらい椎間板ヘルニアの痛み。

 

なんとかしたいけれど、手術は避けたい、できれば自宅でケアしたいと思っていませんか？

 

この記事では、椎間板ヘルニアの症状や原因を分かりやすく解説した上で、自宅でできる効果的なセルフケアを10選ご紹介します。

 

ストレッチや温熱・冷却療法、姿勢の改善、生活習慣の見直しなど、今日から実践できる方法ばかりです。

 

つらい痛みを和らげ、快適な日常生活を取り戻すための一助として、ぜひこの記事をご活用ください。

 

 

1. 椎間板ヘルニアとは？

 

椎間板ヘルニアとは、背骨の骨と骨の間にあるクッションの役割を果たす椎間板という組織の一部が、飛び出して神経を圧迫することで痛みやしびれなどの症状を引き起こす疾患です。

 

椎間板は、水分を多く含んだ髄核と呼ばれる中心部分と、それを囲む線維輪と呼ばれる外側の部分で構成されています。

 

加齢や激しい運動、悪い姿勢などが原因で線維輪に亀裂が生じ、髄核が飛び出すことで神経を圧迫し、様々な症状が現れます。

 

 

1.1 椎間板ヘルニアの症状

 

椎間板ヘルニアの症状は、ヘルニアが発生した部位や神経の圧迫の程度によって様々です。

 

代表的な症状としては、腰や首の痛み、腕や足のしびれ、感覚の鈍化、筋力低下などが挙げられます。

 

また、くしゃみや咳をした際に痛みが強くなることもあります。

 

症状が悪化すると、排尿・排便障害が起こる場合もありますので、注意が必要です。

 

 

1.2 椎間板ヘルニアの原因

 

椎間板ヘルニアの原因は、加齢による椎間板の変性、長時間のデスクワークや運転などによる姿勢の悪さ、重いものを持ち上げるなどの急激な負荷、スポーツなどによる過度な運動、遺伝的要因などが考えられます。

 

また、喫煙も椎間板への栄養供給を阻害し、変性を促進させる要因の一つとされています。

 

発生部位	症状	好発年齢
頸椎（首）	首の痛み、肩や腕の痛みやしびれ、手の感覚異常、筋力低下	30～50代
腰椎（腰）	腰の痛み、臀部や太ももの痛みやしびれ、足の感覚異常、筋力低下	30～50代
胸椎（背中）	背中の痛み、胸や腹部の痛み、肋間神経痛	比較的まれ

 

椎間板ヘルニアは、日常生活における何気ない動作や習慣が原因となる場合もあります。

 

例えば、ソファに深く座り込んだり、猫背の姿勢を続けたりすることで、椎間板に負担がかかりやすくなります。

 

また、中腰での作業や重い荷物の持ち上げ方にも注意が必要です。

 

適切な姿勢や動作を心がけることで、椎間板ヘルニアの予防につながります。

 

 

2. 椎間板ヘルニアの治療法

 

椎間板ヘルニアの治療法は、大きく分けて病院で行う治療と、自宅でできるセルフケアの2種類があります。

 

症状や進行度によって適切な治療法が異なるため、まずは医療機関を受診し、医師の診断を受けることが重要です。

 

自己判断で治療を進めると、症状が悪化したり、回復が遅れたりする可能性があります。

 

 

2.1 病院で行う治療法

 

病院で行う治療法は、主に保存療法と手術療法に分けられます。

 

多くの場合、まずは保存療法を試み、効果が見られない場合や症状が重い場合に手術療法が検討されます。

 

 

2.1.1 保存療法

 

保存療法は、手術を行わずに痛みや炎症を抑え、神経の圧迫を軽減することを目的とした治療法です。

 

具体的には、以下のような方法があります。

 

治療法	内容
薬物療法	痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤、消炎鎮痛剤、神経障害性疼痛治療薬などが処方されます。
神経ブロック注射	炎症や痛みを起こしている神経に直接薬剤を注射することで、痛みを緩和します。
牽引療法	椎間板にかかる圧力を軽減し、神経の圧迫を取り除くことを目的とした治療法です。
理学療法	ストレッチや筋力トレーニングなどを行い、身体の機能改善を目指します。

2.1.2 手術療法

 

保存療法で効果が見られない場合や、症状が重い場合には、手術療法が検討されます。

 

手術には様々な方法がありますが、いずれも神経の圧迫を取り除くことを目的としています。

 

代表的な手術方法には、椎間板ヘルニア摘出術、内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術、レーザー治療などがあります。

 

手術療法は身体への負担が大きいため、医師とよく相談し、慎重に判断する必要があります。

 

 

2.2 自宅でできるセルフケア

 

病院での治療と並行して、自宅でできるセルフケアを行うことも重要です。

 

セルフケアは、症状の緩和や再発予防に役立ちます。

 

セルフケアには、ストレッチ、温熱療法、冷却療法、姿勢の改善、適度な運動、体重管理、睡眠の質の向上、腰痛ベルトの着用、禁煙、ストレス管理など、様々な方法があります。

 

次の章では、具体的なセルフケアの方法について詳しく解説します。

 

 

3. 椎間板ヘルニアのセルフケア10選

 

椎間板ヘルニアの痛みや痺れを和らげるために、自宅でできるセルフケアは重要です。

 

ここでは、効果的な10個のセルフケア方法を紹介します。

 

 

3.1 ストレッチ

 

ストレッチは、筋肉の緊張をほぐし、血行を促進することで、椎間板ヘルニアの症状緩和に役立ちます。

 

痛みを感じない範囲で、無理なく行うことが大切です。

 

 

3.1.1 太もも裏のストレッチ

 

床に座り、片足を伸ばし、もう片方の足を曲げます。

 

伸ばした足のつま先を手でつかみ、太ももの裏が伸びているのを感じながら、30秒ほどキープします。

 

反対側も同様に行います。

 

 

3.1.2 梨状筋ストレッチ

 

仰向けに寝て、両膝を立てます。片方の足をもう片方の太ももに乗せ、手で太もも裏を抱え、胸の方へ引き寄せます。

 

お尻の奥が伸びているのを感じながら、30秒ほどキープします。反対側も同様に行います。

 

3.1.3 お尻のストレッチ

 

仰向けに寝て、両膝を立てます。

 

片方の足首をもう片方の膝の上に乗せます。

 

両手で下の足の太もも裏を抱え、胸の方へ引き寄せます。

 

お尻が伸びているのを感じながら、30秒ほどキープします。

 

反対側も同様に行います。

 

 

3.2 温熱療法

 

温熱療法は、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。

 

温めたタオルやカイロなどを患部に当てて、15～20分ほど温めましょう。

 

ただし、炎症が強い場合は、温めると悪化することがあるので、避けてください。

 

 

3.3 冷却療法

 

炎症が強い場合は、冷却療法が効果的です。

 

氷嚢や保冷剤などをタオルに包み、患部に15～20分ほど当てて冷やします。

 

凍傷を防ぐため、直接肌に当てないように注意してください。

 

 

3.4 姿勢の改善

 

正しい姿勢を保つことは、椎間板への負担を軽減するために重要です。

 

日頃から姿勢に気をつけ、猫背にならないように意識しましょう。

 

 

3.4.1 正しい立ち姿勢

 

耳、肩、腰、くるぶしが一直線になるように立ちます。

 

お腹に軽く力を入れて、背筋を伸ばすことを意識しましょう。

 

 

3.4.2 正しい座り姿勢

 

椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばします。

 

足の裏全体を床につけ、膝の角度は90度くらいになるように調整します。

 

 

3.5 適度な運動

 

適度な運動は、筋力を強化し、椎間板への負担を軽減する効果があります。

 

ウォーキングや水泳など、腰に負担の少ない運動を選びましょう。

 

痛みが強い場合は、運動を控えてください。

 

 

3.6 体重管理

 

体重が増えると、椎間板への負担も増えます。

 

適正体重を維持することで、椎間板ヘルニアの予防や症状緩和につながります。

 

 

3.7 睡眠の質の向上

 

質の良い睡眠は、体の回復を促し、痛みを軽減する効果があります。

 

リラックスできる環境を整え、十分な睡眠時間を確保しましょう。

 

 

3.8 腰痛ベルトの着用

 

腰痛ベルトは、腰をサポートし、負担を軽減する効果があります。

 

症状に合わせて適切な腰痛ベルトを選び、正しく着用しましょう。

 

椎間板ヘルニアでもOK！効果的な筋トレの種類と正しいやり方　ブログへ

 

 

3.9 禁煙

 

喫煙は、血行を悪化させ、椎間板の変性を促進する可能性があります。

 

禁煙することで、椎間板ヘルニアの予防や症状緩和につながります。

 

 

3.10 ストレス管理

 

ストレスは、筋肉の緊張を高め、痛みを悪化させることがあります。

 

ストレスをため込まないように、リラックスできる時間を設けましょう。

 

 

これらのセルフケアは、椎間板ヘルニアの症状緩和に役立ちますが、症状が改善しない場合や悪化する場合は、医療機関への受診をおすすめします。

 

自己判断で治療を行うのではなく、専門家の指導を受けることが大切です。

 

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4. 椎間板ヘルニアのセルフケアで気をつけること

 

椎間板ヘルニアのセルフケアは、症状の緩和に役立ちますが、間違った方法で行うと悪化させてしまう可能性もあります。

 

安全かつ効果的にセルフケアを行うために、以下の点に注意してください。

 

 

4.1 セルフケアを行う上での注意点

 

痛みが増強する場合はすぐに中止してください。

 

セルフケアは痛みを和らげるためのものですが、行うことで痛みが強くなる場合は、ヘルニアを悪化させている可能性があります。

 

少しでも違和感を感じたら、すぐに中止し、安静にして様子を見ましょう。

 

痛みが続く場合は、医療機関への受診を検討してください。

 

 

自己判断で治療法を選択しないようにしてください。

 

インターネットや書籍などで様々な情報が得られますが、ご自身の症状に合った適切なセルフケアは、専門家の指導のもとで行うのが安全です。

 

自己流の治療は、症状を悪化させるリスクがありますので、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。

 

 

急性の痛みがある時は安静を優先しましょう。

 

激しい痛みがある時は、無理に動いたり、セルフケアを行うのは控え、安静にして炎症を抑えることが大切です。

 

痛みが落ち着いてきたら、徐々に体を動かし始め、セルフケアも取り入れていきましょう。

 

 

4.2 症状別、やってはいけないセルフケア

 

症状	やってはいけないセルフケア	理由
しびれ	強いマッサージ	神経を圧迫し、症状を悪化させる可能性があります。
激しい痛み	ストレッチや運動	炎症を悪化させ、痛みを増強させる可能性があります。
排尿・排便障害	自己流の治療	重症化している可能性があるため、すぐに医療機関を受診する必要があります。

 

持続的なセルフケアの実施が重要です。

 

椎間板ヘルニアのセルフケアは、一度行っただけで効果が出るものではありません。

 

症状の改善や再発予防のためには、継続して行うことが大切です。

 

毎日少しずつでも続けることで、効果を実感できるはずです。

 

 

専門家への相談も検討しましょう。

 

セルフケアを行っても症状が改善しない場合や、不安なことがある場合は、専門家に相談することをお勧めします。

 

医師や理学療法士などの専門家は、個々の症状に合わせた適切なアドバイスをしてくれます。

 

 

これらの点に注意しながら、ご自身の症状に合った適切なセルフケアを行い、椎間板ヘルニアの痛みを和らげ、快適な生活を送れるようにしましょう。

 

 

5. まとめ

 

この記事では、椎間板ヘルニアの症状や原因、そして病院で行う治療法に加え、自宅でできる効果的なセルフケア10選をご紹介しました。

 

椎間板ヘルニアは、日常生活における姿勢や動作、加齢などが原因で発症する可能性があります。

 

症状としては、腰や足の痛みやしびれなどが挙げられます。

 

病院では、保存療法や手術療法といった治療が行われますが、自宅でもストレッチや温熱・冷却療法、姿勢の改善、適度な運動、体重管理、睡眠の質の向上、腰痛ベルトの着用、禁煙、ストレス管理といったセルフケアを行うことで、症状の緩和や再発予防が期待できます。

 

ただし、セルフケアはあくまでも補助的なものであり、症状が悪化したり、改善が見られない場合は、医療機関への受診をおすすめします。

 

ご自身の症状に合った適切なセルフケアを選び、健康な毎日を送る一助としてください。

 

何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

 

 

 

柔道整復師　武田和樹　監修