肩こり原因は姿勢だけじゃない!デスクワーク/スマホ/冷え性…タイプ別の原因と解消法を解説

慢性的な肩こりに悩まされていませんか?
肩こりの原因は、姿勢が悪いから、長時間スマホを使っているから…
といった単純な理由だけではありません。
実は、肩甲骨周りの筋肉の硬さや、日常生活に潜む様々な要因、更には思わぬ病気が隠れている可能性もあるのです。
この記事では、肩こりの原因となる筋肉の働き、デスクワークやスマホ、冷え性、猫背、ストレス、睡眠不足といった生活習慣、そして肩こりと関連のある病気について詳しく解説します。
さらに、原因別に最適な解消法もご紹介。
肩こりの根本原因を理解し、適切な対策を行うことで、つらい肩こりから解放され、快適な毎日を送るためのヒントが見つかるはずです。
具体的なストレッチやマッサージ、生活習慣の見直し方法なども紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 肩こりの原因をチェック! 多くの人が知らない意外な原因も
肩こりは、国民病とも言われるほど多くの人が悩まされている症状です。
その原因は、姿勢が悪いから、長時間デスクワークをしているから、といった単純なものではありません。
今回は、肩こりの原因となる筋肉の種類、生活習慣、病気を詳しく解説し、意外な原因についてもご紹介します。
1.1 肩こりの原因となる筋肉の種類
肩こりは、肩や首周辺の筋肉が緊張したり、血行が悪くなったりすることで起こります。
特に、以下の筋肉が肩こりに大きく関わっています。
1.1.1 僧帽筋
僧帽筋は、首から背中にかけて広がる大きな筋肉です。
重い荷物を持ったり、長時間同じ姿勢を続けたりすることで負担がかかりやすく、肩こりの主要な原因となります。
上部僧帽筋は肩をすくめる動作、中部僧帽筋は肩甲骨を背骨に寄せる動作、下部僧帽筋は肩甲骨を下に引く動作に関わっています。
1.1.2 肩甲挙筋
肩甲挙筋は、首の後ろから肩甲骨にかけて伸びる筋肉です。
肩をすくめる動作や、長時間同じ姿勢を保つ際に緊張しやすく、肩や首の痛み、こりの原因となります。
また、ストレスを感じやすい方は、無意識に肩をすくめる癖があるため、肩甲挙筋が過剰に緊張し、肩こりを引き起こす可能性があります。
1.1.3 菱形筋
菱形筋は、肩甲骨を背骨に引き寄せる働きをする筋肉です。
猫背などの悪い姿勢によって菱形筋が弱くなると、肩甲骨が外側に広がり、肩周辺の筋肉のバランスが崩れて肩こりの原因となります。
また、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けることでも、菱形筋が疲労し、肩こりが発生しやすくなります。
1.2 肩こりの原因となる生活習慣
日常生活における様々な習慣が、肩こりの原因となっている場合があります。
思い当たる節がないか、チェックしてみましょう。
生活習慣 | 詳細 |
---|---|
デスクワーク | 長時間のパソコン作業は、同じ姿勢を続けることになり、肩や首の筋肉に負担がかかります。 |
スマホの使いすぎ | うつむいた姿勢でスマホを長時間操作することで、首に負担がかかり、「スマホ首(ストレートネック)」と呼ばれる状態になり、肩こりを引き起こすことがあります。 |
運動不足 | 運動不足は、筋肉の柔軟性を低下させ、血行不良を招き、肩こりを悪化させる要因となります。 |
冷え性 | 体が冷えると、血行が悪くなり、筋肉が緊張しやすくなるため、肩こりの原因となります。
特に、女性は冷え性の方が多いので注意が必要です。 |
猫背などの悪い姿勢 | 猫背は、肩甲骨の位置がずれる原因となり、肩や首の筋肉に負担がかかり、肩こりを引き起こします。 |
精神的ストレス | ストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れ、筋肉が緊張しやすくなります。
また、ストレスによって交感神経が優位になると、血管が収縮し、血行不良を引き起こし、肩こりの原因となります。 |
睡眠不足 | 睡眠不足は、疲労を蓄積させ、筋肉の緊張を和らげる成長ホルモンの分泌を阻害するため、肩こりを悪化させる可能性があります。 |
1.3 肩こりの原因となる病気
肩こりは、単なる筋肉の疲労だけでなく、病気が原因で起こる場合もあります。
長引く肩こりや、激しい痛みを伴う場合は、医療機関への受診をおすすめします。
病気 | 詳細 |
---|---|
頚椎椎間板ヘルニア | 頚椎の椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで、肩や腕に痛みやしびれが生じることがあります。 |
胸郭出口症候群 | 鎖骨や肋骨の間にある神経や血管が圧迫されることで、肩や腕に痛みやしびれ、冷感などが現れます。 |
五十肩 | 肩関節周囲炎のことで、肩関節の炎症によって痛みや運動制限が起こります。
肩こりと同様に肩の痛みを生じるため、自己判断せず医療機関で適切な診断を受けることが重要です。 |
2. タイプ別の肩こり原因をチェック! あなたに当てはまるのは?
肩こりは、その原因によって対処法も異なってきます。
ここでは、代表的なタイプ別の肩こりの原因を詳しく見ていきましょう。
自分の肩こりのタイプを知ることで、より効果的な対策を立てることができます。
2.1 デスクワークでの肩こり原因
長時間のパソコン作業やデスクワークは、肩こりの大きな原因となります。
同じ姿勢を続けることで、首や肩周りの筋肉が緊張し、血行不良に陥ります。
また、キーボードやマウス操作による腕や手の負担も、肩こりの悪化につながります。
- 長時間同じ姿勢での作業
- キーボードやマウス操作による負担
- 運動不足による筋力低下
- 目の疲れ
特に、画面との距離が近すぎたり、姿勢が悪かったりすると、首や肩への負担が大きくなり、肩こりを悪化させる可能性があります。
こまめな休憩やストレッチを取り入れることが大切です。
2.2 スマホ首(ストレートネック)による肩こり原因
スマートフォンを長時間使用する際に、うつむいた姿勢を続けることで、首の自然なカーブが失われ、まっすぐな状態になる「ストレートネック」を引き起こすことがあります。
ストレートネックになると、頭部の重さを支えるために首や肩の筋肉に大きな負担がかかり、肩こりだけでなく、頭痛や吐き気などの症状が現れる場合もあります。
- 長時間うつむいた姿勢
- 首の筋肉への負担増加
- 頭部の重心の変化
スマートフォンの使用時間を意識的に減らし、正しい姿勢を保つように心がけましょう。
2.3 冷え性による肩こり原因
冷え性は、血行不良を引き起こし、筋肉が緊張しやすくなるため、肩こりの原因となります。
特に、女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、冷えの影響を受けやすく、肩こりに悩まされる方が多いです。
体が冷えると、血管が収縮し、血流が悪くなります。
その結果、筋肉に十分な酸素や栄養が供給されなくなり、筋肉が硬くなって肩こりを引き起こします。
- 血行不良による筋肉の緊張
- 体温調節機能の低下
- 自律神経の乱れ
体を温める工夫や適度な運動で血行を促進することが大切です。
2.4 猫背による肩こり原因
猫背は、肩甲骨が外側に広がり、肩や首周りの筋肉が常に引っ張られた状態になります。
この状態が続くと、筋肉の緊張や血行不良を引き起こし、肩こりの原因となります。
また、猫背は呼吸も浅くするため、体全体の酸素供給量が減り、筋肉の疲労を回復しにくくします。
- 肩甲骨の位置の異常
- 肩や首周りの筋肉の緊張
- 呼吸が浅くなる
正しい姿勢を意識し、ストレッチや筋トレで姿勢を改善していくことが重要です。
2.5 ストレスによる肩こり原因
ストレスは、自律神経のバランスを崩し、筋肉を緊張させるホルモンの分泌を促進するため、肩こりの原因となります。
また、ストレスを感じると、呼吸が浅くなり、血行が悪化することも肩こりの悪化につながります。
精神的な緊張が続くと、交感神経が優位になり、血管が収縮しやすくなります。
すると、筋肉への血流が滞り、肩こりを引き起こしやすくなります。
- 自律神経の乱れ
- 筋肉の緊張
- 血行不良
- 睡眠の質の低下
ストレスを軽減するためのリラックス方法を見つけることが大切です。
例えば、好きな音楽を聴いたり、アロマを焚いたり、ゆっくりとお風呂に浸かったりすることで、心身のリラックスを図りましょう。
3. 肩こり原因別の効果的な解消法
肩こりは、原因によって適切な解消法が異なります。
ここでは、タイプ別の原因に合わせた効果的な解消法をご紹介します。
3.1 デスクワークによる肩こりの解消法
長時間同じ姿勢での作業は、肩こりの大きな原因となります。
こまめなケアを心がけましょう。
3.1.1 ストレッチ
肩甲骨を動かすストレッチや、首を回すストレッチが効果的です。
1時間に1回程度、軽いストレッチを行うことで、筋肉の緊張をほぐし、血行を促進することができます。
具体的なストレッチとしては、肩回し、首回し、肩甲骨はがしなどが挙げられます。
これらのストレッチは、座ったまま行えるため、仕事の合間にも手軽に取り入れることができます。
3.1.2 マッサージ
肩や首周りの筋肉をマッサージすることで、血行促進や筋肉の緩和に繋がります。
蒸しタオルなどを当てて温めながら行うと、より効果的です。
入浴中にマッサージを行うのも良いでしょう。
ただし、強く揉みすぎると逆効果になる場合があるので、優しく行うように注意してください。
3.1.3 休憩
作業中に定期的に休憩を取り、軽い運動やストレッチを行うことで、肩こりの悪化を防ぎます。
1時間ごとに5分程度の休憩を取り、立ち上がって歩いたり、軽い体操をするのがおすすめです。
長時間同じ姿勢を続けることで、筋肉が緊張しやすくなるため、こまめな休憩は非常に重要です。
3.2 スマホ首(ストレートネック)による肩こりの解消法
長時間スマホを見ることで、首が前傾姿勢になり、肩こりを引き起こしやすくなります。
意識的な対策が必要です。
3.2.1 ストレッチ
首の後ろを伸ばすストレッチや、胸を開くストレッチが効果的です。
スマホを見る前後にストレッチを行う習慣をつけましょう。
首の筋肉をほぐすことで、ストレートネックの改善にも繋がります。
3.2.2 スマホの使用時間の見直し
スマホの使用時間を減らす、もしくは定期的に休憩を入れることで、首への負担を軽減することができます。
スマホを使用する際は、画面を目の高さに持ってくるなど、姿勢にも気を配りましょう。
3.2.3 正しい姿勢の保持
スマホを見る際は、背筋を伸ばし、顎を引いた正しい姿勢を意識しましょう。
猫背の状態だと、首や肩への負担が大きくなり、肩こりを悪化させる原因となります。
3.3 冷え性による肩こりの解消法
冷えによって血行が悪くなると、筋肉が緊張しやすくなり、肩こりに繋がります。
体を温めることが重要です。
3.3.1 体を温める
温かい飲み物を飲む、厚着をする、カイロを使うなど、体を温める工夫をしましょう。
特に、首や肩周りを温めることが効果的です。
冷えやすい人は、ストールやマフラーなどを活用すると良いでしょう。
3.3.2 適度な運動
適度な運動は、血行促進に効果的です。
ウォーキングや軽いジョギングなど、無理なく続けられる運動を選びましょう。
運動によって体温が上がり、血行が促進されることで、肩こりの改善に繋がります。
3.3.3 湯船につかる
湯船につかることで、全身を温め、血行を促進することができます。
38~40度くらいのぬるめのお湯に15~20分程度つかるのがおすすめです。
入浴剤を使うのも良いでしょう。
リラックス効果も期待できます。
3.4 猫背による肩こりの解消法
猫背は、肩甲骨が外側に広がり、肩や首周りの筋肉に負担がかかり、肩こりの原因となります。
姿勢の改善が重要です。
3.4.1 ストレッチ
肩甲骨を寄せるストレッチや、胸を開くストレッチが効果的です。
壁に背中をつけて立つだけでも、姿勢の意識付けになります。
日頃から正しい姿勢を意識することで、猫背の改善に繋がります。
3.4.2 筋トレ
背筋や腹筋を鍛えることで、正しい姿勢を維持しやすくなります。
腕立て伏せや腹筋運動など、自宅でできる簡単な筋トレを取り入れましょう。
筋肉を鍛えることで、姿勢が安定し、肩こり予防にも繋がります。
3.4.3 姿勢改善
日頃から正しい姿勢を意識することが大切です。
椅子に座る際は、背筋を伸ばし、顎を引くことを意識しましょう。
パソコン作業をする際は、モニターの位置を調整し、目線が水平になるようにすると良いでしょう。
3.5 ストレスによる肩こりの解消法
ストレスは、自律神経のバランスを崩し、筋肉を緊張させるため、肩こりの原因となります。
心身のリラックスが重要です。
3.5.1 リラックス方法を見つける
好きな音楽を聴く、アロマを焚く、読書をするなど、自分に合ったリラックス方法を見つけましょう。
ストレスを溜め込まないことが大切です。
3.5.2 ストレスの原因を取り除く
ストレスの原因を特定し、可能な範囲で取り除く努力をしましょう。
仕事量を調整する、人間関係を見直すなど、具体的な対策を立てることが重要です。
3.5.3 質の良い睡眠
質の良い睡眠は、心身の疲労回復に不可欠です。
寝る前にカフェインを摂らない、寝室を暗く静かにするなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。
十分な睡眠をとることで、ストレス軽減にも繋がります。
これらの解消法を試しても肩こりが改善しない場合は、他の病気が隠れている可能性もあります。
その場合は、医療機関への受診を検討しましょう。
4. 肩こり原因を特定し適切な解消法で改善!
肩こりは、多くの人が経験する一般的な悩みです。
その原因は実に様々で、単純に「肩が凝っている」と捉えるのではなく、何が肩こりを引き起こしているのかを正しく理解することが重要です。
原因を特定することで、より効果的な解消法を選択し、根本的な改善へと繋げることができます。
肩こりの原因は、筋肉の緊張や血行不良、姿勢の悪さ、精神的なストレス、身体の冷えなど、多岐にわたります。
また、内臓の不調や病気が原因で肩こりが引き起こされるケースもあります。
まずは、自分の肩こりはどのような原因で引き起こされているのかを把握しましょう。
4.1 セルフチェックで原因を探ろう
以下の項目をチェックし、思い当たるものがないか確認してみましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
デスクワーク | 長時間同じ姿勢での作業が多いですか? |
スマホの使用 | スマホを長時間使用する習慣がありますか? |
運動不足 | 定期的な運動習慣はありますか? |
冷え性 | 手足が冷えやすいですか? |
姿勢 | 猫背気味ですか? |
ストレス | ストレスを感じやすいですか? |
睡眠 | 睡眠時間は十分ですか?睡眠の質は良いですか? |
これらの項目に複数当てはまる場合、それらが複合的に肩こりに影響している可能性があります。
セルフチェックだけでは原因を特定できない場合や、症状が重い場合は、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
4.2 原因別の適切な解消法を選択しよう
肩こりの原因が特定できたら、それに合った解消法を選びましょう。
例えば、デスクワークが原因の場合は、こまめな休憩やストレッチ、正しい姿勢の保持を意識することが大切です。
冷えが原因の場合は、体を温める工夫や適度な運動を取り入れると良いでしょう。
ストレスが原因の場合は、リラックスできる時間を作る、趣味に没頭するなど、ストレスを軽減する方法を見つけましょう。
4.2.1 解消法の一例
原因 | 解消法 |
---|---|
デスクワーク | ストレッチ、マッサージ、休憩、作業環境の改善(モニターの位置など) |
スマホ首(ストレートネック) | ストレッチ、スマホの使用時間の見直し、正しい姿勢の保持、枕の高さ調整 |
冷え性 | 体を温める(温かい飲み物、衣類、カイロなど)、適度な運動、湯船につかる、バランスの良い食事 |
猫背 | ストレッチ、筋トレ(背筋、腹筋など)、姿勢改善、適切な寝具の選択 |
ストレス | リラックス方法を見つける(アロマ、音楽、読書など)、ストレスの原因を取り除く、質の良い睡眠、規則正しい生活 |
自分に合った解消法を見つけることが、肩こりの根本的な改善に繋がります。
様々な方法を試してみて、効果的な方法を見つけて継続していくことが重要です。
また、複数の原因が考えられる場合は、それぞれの原因に合わせた解消法を組み合わせて行うことがより効果的です。
5. まとめ
肩こりは、現代社会において多くの人が抱える悩みのひとつです。
その原因は、デスクワークやスマホの使いすぎ、冷え性、猫背、ストレスなど、多岐にわたります。
この記事では、肩こりの原因となる筋肉の種類や生活習慣、病気を解説し、さらにタイプ別の原因と効果的な解消法を紹介しました。
肩こりの原因を特定することは、適切な解消法を選択するために非常に重要です。
例えば、デスクワークによる肩こりであれば、こまめな休憩やストレッチが有効ですし、冷え性による肩こりであれば、体を温める工夫が大切です。
また、猫背が原因の場合は、姿勢改善のための筋トレやストレッチが効果的でしょう。
ストレスが原因の場合は、リラックス方法を見つける、ストレスの原因を取り除く、質の良い睡眠を確保するといった対策が重要になります。
ご紹介した解消法を試しても改善が見られない場合や、激しい痛みやしびれを伴う場合は、我慢せずに医療機関への受診を検討してください。
自己判断で対処せず、専門家のアドバイスを受けることが大切です。
何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。
柔道整復師 武田和樹 監修