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腰の痛みと吐き気…放っておくと危険?考えられる病気と今すぐできる対処法

腰の痛みと吐き気が同時に起こると、何が原因なのか不安になりますよね。

 

実は、これらの症状は筋肉や骨格の問題だけでなく、内臓の病気や婦人科系の疾患が隠れている可能性もあるんです。

 

この記事では、腰の痛みと吐き気が同時に起こる原因を、筋肉や骨格、内臓、婦人科系の3つの側面から詳しく解説します。

 

さらに、緊急性の高い症状の見分け方や、今すぐできる対処法、やってはいけないことなどもご紹介します。

 

この記事を読めば、自分の症状がどの程度深刻なのか、そしてどのように対処すれば良いのかが分かります。

 

安心して適切な対応ができるように、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

 

1. 腰の痛みと吐き気が同時に起こる原因

 

腰の痛みと吐き気が同時に起こる場合、様々な原因が考えられます。

 

筋肉や骨格の問題、内臓の病気、婦人科系の病気など、多岐にわたるため、それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

 

1.1 筋肉や骨格の問題

 

腰の痛みと吐き気を引き起こす原因として、まず考えられるのが筋肉や骨格の問題です。

 

激しい運動や無理な姿勢、長時間のデスクワークなどによって、腰に負担がかかり、痛みが発生することがあります。

 

その痛みが自律神経に影響し、吐き気を引き起こす場合もあります。

 

 

1.1.1 急性腰痛(ぎっくり腰)

 

急性腰痛(ぎっくり腰)は、突然の激しい腰の痛みを特徴とする疾患です。

 

くしゃみや咳、重い物を持ち上げた時など、些細な動作がきっかけで発症することがあります。

 

激しい痛みに伴い、吐き気を訴える方もいます。

 

 

1.1.2 腰椎椎間板ヘルニア

 

腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで痛みやしびれを引き起こす疾患です。

 

腰の痛みだけでなく、下肢の痛みやしびれ、排尿障害などを伴う場合もあります。

 

ヘルニアによる神経への刺激が吐き気を誘発することもあります。

 

 

1.1.3 脊柱管狭窄症

 

脊柱管狭窄症は、背骨の中を通る脊柱管が狭くなり、神経を圧迫することで腰や足の痛み、しびれなどを引き起こす疾患です。

 

長時間の歩行で症状が悪化し、間欠跛行と呼ばれる特徴的な症状が現れることもあります。

 

神経への圧迫が強くなると、吐き気を伴うこともあります。

 

 

1.2 内臓の病気の可能性

 

腰の痛みと吐き気は、内臓の病気のサインである可能性もあります。

 

内臓の異変が腰の神経を刺激し、痛みとして現れることがあります。

 

同時に、内臓の不調は自律神経にも影響を及ぼし、吐き気を引き起こすことがあります。

 

病気 症状

1.2.1 尿路結石

尿路結石は、尿路に結石ができて激しい痛みを引き起こす病気です。

結石が腎臓にある場合は腰の痛み、尿管に移動すると下腹部やわき腹の痛み、吐き気などを伴います。

1.2.2 腎盂腎炎

腎盂腎炎は、腎臓に細菌感染が起こる病気です。

高熱、腰の痛み、吐き気、頻尿、排尿痛などの症状が現れます。

1.2.3 急性虫垂炎

急性虫垂炎は、盲腸(虫垂)に炎症が起こる病気です。

初期はみぞおち周辺の痛みですが、徐々に右下腹部に移り、吐き気、嘔吐、発熱などを伴います。

1.2.4 膵炎

膵炎は、膵臓に炎症が起こる病気です。

上腹部の激しい痛み、吐き気、嘔吐、発熱などの症状が現れます。

痛みが背中に響くこともあります。

1.2.5 消化性潰瘍

消化性潰瘍は、胃や十二指腸に潰瘍ができる病気です。

みぞおちの痛み、吐き気、嘔吐、胸やけなどの症状が現れます。

痛みが背中に響くこともあります。

1.2.6 大動脈解離

大動脈解離は、大動脈の内膜が裂け、血液が血管壁に入り込む病気です。

突然の激しい胸や背中の痛み、吐き気、失神などを伴う非常に危険な状態で、緊急の処置が必要です。

1.3 婦人科系の病気

 

女性の場合、腰の痛みと吐き気は婦人科系の病気のサインである可能性も考えられます。

 

子宮や卵巣の病気は、腰の痛みだけでなく、吐き気や月経異常などを伴うことがあります。

 

病気 症状

1.3.1 子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内膜が子宮以外の場所に発生する病気です。

強い月経痛、腰の痛み、吐き気、性交痛、不妊などの症状が現れることがあります。

1.3.2 子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。

過多月経、月経痛、腰の痛み、貧血、頻尿などの症状が現れることがあります。

1.3.3 卵巣嚢腫

卵巣嚢腫は、卵巣にできる腫瘍です。

多くの場合無症状ですが、腫瘍が大きくなると下腹部の張りや痛み、腰の痛み、吐き気などを引き起こすことがあります。

 

腰の痛みと吐き気が同時に起こる場合、これらの原因が考えられます。

 

自己判断せず、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることが重要です。

 

 

2. 腰の痛みと吐き気が危険なサインの場合

 

腰の痛みと吐き気が同時に出現した場合、状況によっては重篤な病気が隠れている可能性があります。

 

自己判断せずに、速やかに医療機関を受診することが重要です。

 

特に、以下の症状が現れた場合は、緊急性が高いと考えられるため、ためらわずに救急車を呼ぶか、すぐに医療機関を受診しましょう。

 

2.1 緊急性の高い症状

 

2.1.1 激しい痛みが続く場合

 

耐え難いほどの激しい腰の痛みが持続する場合、内臓疾患や神経の損傷などが疑われます。

 

特に、動くと痛みが悪化するじっとしていても痛みが治まらないといった場合は注意が必要です。

 

鎮痛剤を服用しても痛みが軽減しない場合も、早急に医療機関を受診しましょう。

 

 

2.1.2 吐き気や嘔吐がひどい場合

 

腰の痛みに加えて、吐き気や嘔吐がひどく続く場合、消化器系の疾患や、痛みが原因で自律神経が刺激されている可能性があります。

 

嘔吐物が緑色や血の色をしている場合は、消化管出血などの重篤な病気が隠れている可能性もあるため、すぐに医療機関を受診することが重要です。

 

 

2.1.3 発熱を伴う場合

 

腰の痛みと吐き気に発熱が伴う場合は、感染症や炎症性疾患の可能性があります。

 

腎盂腎炎や虫垂炎などが疑われるため、放置すると症状が悪化する可能性があります。

 

38度以上の高熱が出る場合は特に注意が必要です。

 

速やかに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けましょう。

 

 

2.1.4 神経症状が出る場合(しびれ、麻痺など)

 

腰の痛みに伴い、足にしびれや麻痺などの神経症状が現れる場合、脊髄や神経が圧迫されている可能性があります。

 

腰椎椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症などが考えられます。

 

また、排尿・排便障害を伴う場合は、馬尾症候群の可能性もあるため、緊急性を要します。

 

直ちに医療機関を受診しましょう。

 

症状 考えられる病気 緊急度
激しい腰痛と吐き気、発熱 腎盂腎炎、虫垂炎など
激しい腰痛と吐き気、緑色や血色の嘔吐 消化管出血など
腰痛と吐き気、足にしびれや麻痺 腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、馬尾症候群など
腰痛と吐き気、排尿・排便障害 馬尾症候群など 至急

 

上記以外にも、意識がもうろうとする冷汗が出る胸の痛みなどの症状が現れた場合は、生命に関わる病気が隠れている可能性があります。

 

一刻も早く救急車を呼び、医療機関を受診しましょう。

 

 

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3. 腰の痛みと吐き気が起こった時の対処法

 

腰の痛みと吐き気が同時に起こった時は、落ち着いて適切な対処をすることが大切です。

 

まずはご自身の状態をよく観察し、緊急性を要する症状が出ていないか確認しましょう。

 

そして、以下の対処法を試してみてください。

 

 

3.1 今すぐできる対処法

 

比較的症状が軽い場合は、以下の方法で様子を見ましょう。

 

ただし、症状が改善しない場合や悪化する場合は、速やかに医療機関への受診を検討してください。

 

 

3.1.1 安静にする

 

横になって安静にすることが最も重要です。

 

楽な姿勢を見つけ、身体を休ませましょう。

 

可能であれば、少し硬めの布団やマットレスの上に横になり、膝の下にクッションなどを挟むと、腰への負担を軽減できます。

 

無理に動いたり、座ったりすることは避け、安静を保つように心がけてください。

 

 

3.1.2 痛む部分を冷やす

 

炎症を抑えるために、痛む部分を冷やすのも効果的です。

 

氷水を入れたビニール袋や保冷剤をタオルで包み、痛む部分に当てて15~20分程度冷やしましょう。

 

ただし、冷やしすぎると凍傷の恐れがあるので、時間を守って冷やすようにしてください。

 

また、冷湿布を使用するのも良いでしょう。

 

市販の冷湿布には、消炎鎮痛効果のある成分が含まれているものもあり、痛みを和らげるのに役立ちます。

 

 

3.1.3 市販の鎮痛剤を服用する

 

痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤を服用することも検討しましょう。

 

アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの成分が含まれた鎮痛剤は、ドラッグストアなどで手軽に購入できます。

 

ただし、用法・用量を守って服用し、持病がある方や妊娠中の方は、事前に医師や薬剤師に相談するようにしてください。

 

また、鎮痛剤はあくまでも一時的な対処法であり、根本的な治療にはなりません。

 

痛みが続く場合は、医療機関を受診しましょう。

 

 

3.2 やってはいけないこと

 

腰の痛みと吐き気が起こった際に、やってはいけないことを理解しておくことも重要です。

 

誤った対処は症状を悪化させる可能性があります。

 

やってはいけないこと 理由
無理に動かない 無理に動くと、炎症が悪化したり、新たな損傷を引き起こす可能性があります。
自己流のマッサージやストレッチ 症状によっては、マッサージやストレッチが逆効果になる場合があります。

専門家の指導なしに行うのは避けましょう。

我慢しすぎる 我慢しすぎると、病気が進行したり、適切な治療の開始が遅れる可能性があります。

 

これらの行為は症状を悪化させる可能性があるため、絶対に避けましょう。

 

自己判断で対処せず、医療機関を受診することが大切です。

 

適切な診断と治療を受けることで、早期の回復を目指しましょう。

 

 

4. 病院は何科を受診すれば良い?

 

腰の痛みと吐き気が同時に起こった場合、どの診療科を受診すれば良いのか迷ってしまうかもしれません。

 

症状や考えられる原因によって適切な診療科は異なりますので、まずは症状をよく観察することが大切です。

 

 

4.1 症状に合わせた診療科の選び方

 

以下に症状と受診を検討すべき診療科の例をまとめました。

 

ご自身の症状に合わせて参考にしてください。

 

症状 考えられる原因 受診を検討すべき診療科
突然の激しい腰の痛みと吐き気 ぎっくり腰、尿路結石 整形外科、泌尿器科
慢性的な腰の痛みと吐き気、下痢や便秘 過敏性腸症候群、炎症性腸疾患 消化器内科
腰の痛みと吐き気、発熱、血尿 腎盂腎炎、尿路結石 泌尿器科
腰の痛みと吐き気、右下腹部の痛み 虫垂炎 外科
腰の痛みと吐き気、背中の痛み、胸の痛み 大動脈解離(緊急を要する可能性が高い) 循環器内科、救急科
生理痛のような腰の痛みと吐き気 子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫 婦人科
腰の痛みと吐き気、排尿時の痛み 膀胱炎、尿道炎 泌尿器科

 

上記はあくまでも一例です。

 

自己判断せずに、まずは内科や整形外科などの身近な診療科を受診し、医師に相談することをお勧めします。

 

必要に応じて、専門の診療科へ紹介状を書いてもらうとスムーズです。

 

 

4.2 受診前に準備しておくと良いこと

 

受診前に以下のことを準備しておくと、医師とのコミュニケーションがスムーズになり、適切な診断と治療に繋がります。

 

 

  • 症状のメモ:いつから、どのような痛みや吐き気がするか、他に症状はあるかなどを具体的に記録しておきましょう。
  • 服用中の薬の情報:市販薬やサプリメントも含め、現在服用している薬があれば、医師に伝えましょう。
  • 過去の病歴:過去の病気や手術の経験があれば、医師に伝えましょう。

 

腰の痛みと吐き気は様々な原因が考えられます。

 

自己判断は危険ですので、少しでも不安を感じたら医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。

 

 

5. 腰の痛みと吐き気を予防するために

 

腰の痛みと吐き気を予防するには、日々の生活習慣の見直しと、身体への負担を軽減する工夫が大切です。

 

ここでは、具体的な予防策をいくつかご紹介します。

 

 

5.1 正しい姿勢を保つ

 

正しい姿勢は、腰への負担を軽減する上で非常に重要です。

 

立っているときは背筋を伸ばし、お腹を軽く引き締めます。

 

座るときは、深く腰掛け、背もたれに寄りかかりましょう。

 

デスクワークが多い方は、椅子や机の高さを調整し、モニターの位置を適切な高さに設定することで、猫背や前かがみの姿勢を防ぐことができます。

 

 

5.2 適度な運動

 

適度な運動は、腰周りの筋肉を強化し、腰痛を予防する効果があります。

 

ウォーキングや水泳など、腰に負担の少ない運動を習慣的に行いましょう。

 

腰痛持ちの方は、無理のない範囲で運動を行い、痛みが出た場合はすぐに中止することが大切です。

 

ストレッチも効果的です。

 

腰痛予防に効果的なストレッチとしては、ハムストリングスのストレッチ、大腰筋のストレッチ、臀筋のストレッチなどがあります。

 

これらのストレッチを行うことで、腰周りの筋肉の柔軟性を高め、腰痛を予防することができます。

 

ただし、痛みがある場合は無理に行わず、専門家の指導を受けるようにしましょう。

 

 

5.3 適切な体重管理

 

体重が増加すると、腰への負担も大きくなります。

 

肥満は腰痛のリスクを高めるため、適切な体重管理を心掛けましょう。

 

バランスの良い食事と適度な運動を組み合わせ、健康的な体重を維持することが大切です。

 

 

5.4 身体を冷やさない

 

身体が冷えると、筋肉が緊張しやすくなり、腰痛が悪化することがあります。

 

特に冬場は、温かい服装を心掛け、腹巻やカイロなどで腰周りを温めるようにしましょう。

 

また、お風呂で湯船に浸かることで、身体を温め、血行を促進することも効果的です。

 

 

5.5 重いものを持ち上げるときの注意点

 

重いものを持ち上げるときは、腰に負担がかからないように正しい姿勢を保つことが重要です。

 

中腰ではなく、膝を曲げてしゃがみ、荷物に近づいて持ち上げます。

 

持ち上げた後は、背中を丸めずに、ゆっくりと立ち上がりましょう。

 

また、重い荷物はできるだけ分割して持ち運ぶ、台車などを使用するなど、工夫をしましょう。

 

 

5.6 睡眠の質を高める

 

質の良い睡眠は、身体の疲労回復に不可欠です。

 

睡眠不足は、身体の様々な機能に悪影響を及ぼし、腰痛を悪化させる原因にもなります。

 

毎日同じ時間に寝起きする、寝る前にカフェインを摂らない、寝室を暗く静かに保つなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。

 

 

5.7 生活習慣の改善

 

喫煙は血行を悪くし、腰痛を悪化させる要因となる可能性があります。

 

禁煙を心掛けましょう。

 

また、過度な飲酒も身体に負担をかけるため、控えめにしましょう。

 

 

5.8 ストレスを溜めない

 

ストレスは自律神経のバランスを崩し、筋肉の緊張を高め、腰痛を引き起こしたり悪化させたりする可能性があります。

 

ストレスを溜め込まないように、趣味やリラックスできる活動を行い、心身のリフレッシュを図ることが大切です。

 

 

5.9 栄養バランスの良い食事

 

栄養素 役割 多く含まれる食品
カルシウム 骨の形成に必要 牛乳、チーズ、ヨーグルト、小魚
ビタミンD カルシウムの吸収を助ける 鮭、マグロ、きのこ類
タンパク質 筋肉の構成成分 肉、魚、卵、大豆製品

 

バランスの良い食事を摂ることは、健康な身体を維持するために不可欠です。

 

特に、骨や筋肉の健康に欠かせないカルシウム、ビタミンD、タンパク質を積極的に摂取するようにしましょう。

 

 

6. まとめ

 

腰の痛みと吐き気が同時に起こる場合、その原因は筋肉や骨格の問題、内臓の病気、婦人科系の病気など多岐にわたります。

 

ぎっくり腰やヘルニアといった比較的よくある疾患から、緊急性の高い大動脈解離などの重篤な病気まで、様々な可能性が考えられるため、自己判断は危険です。

 

 

吐き気や嘔吐を伴う激しい腰痛、発熱、しびれや麻痺などの神経症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

 

我慢しすぎず、速やかな対応が重要です。

 

緊急性がない場合でも、痛みが続くようであれば医療機関への相談をおすすめします。

 

日頃から正しい姿勢を意識し、適度な運動を行うことで、腰痛を予防することができます。

 

この記事では、考えられる原因や対処法、受診の目安などをご紹介しました。

 

ご自身の症状と照らし合わせ、適切な行動をとるための一助となれば幸いです。

 

 

何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

 

 

柔道整復師 武田和樹 監修

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